【2025年版】牛丼チェーンの店舗数ランキング
2025年10月21日 | 業界・地域分析
コロナ禍から需要が回復し、ここ2~3年の売り上げも順調な牛丼業界。最近の国内店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
【2025年版】では、当社のチェーン店データを元に、牛丼チェーンのチェーン別店舗数ランキング(2025年7月時点)や前年比の増減状況を、過去記事(2024・2023・2022年版)との比較も交えて振り返ります。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2025年7月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2025年7月と2024年7月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。
目次
【2025年版】牛丼チェーン 店舗数ランキング(1~3位)
3チェーン揃って店舗増加
チェーン別店舗数ランキングを7月の前年同月比でみると、3チェーン揃って増加しています。「すき家」は0.8%・15店舗の微増で、「吉野家」が1.9%・23店舗増、ランキング3位の「松屋」の増加率が、3チェーンの中で最も高い7.6%増(80店舗増)となっています。
「松屋」は2022~2025年版すべてで増加率トップですが、今回・2025年版の伸びが最も高い数値となっています。
また、3チェーンの合計店舗数は4年連続で前年を上回って推移しており、2025年7月時点の店舗数は4年前の2021年7月に比べて6.6%(268店舗)増加しています。牛丼チェーンの業界全体としてみても「近年緩やかに店舗数を伸ばしている」といえます。
チェーン別店舗数ランキング
| 順位 | チェーン名 | 2024年7月 | 2025年7月 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | すき家 | 1,953 | 1,968 | +0.8 |
| 2位 | 吉野家(※1) | 1,225 | 1,248 | +1.9 |
| 3位 | 松屋(※2) | 1,046 | 1,126 | +7.6 |
※1 吉の字は、正しくは「土(つち)」に「口(くち)」と書きます。
※2 松屋は、「牛丼」ではなく「牛めし」の呼び名で統一しています。
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【年推移】チェーン別 店舗数 2018~2025年(各7月時点)
すき家 ~増減の動きは小さいが、上向きの兆しも~
「牛丼御三家」の中でも断トツの店舗数を誇る「すき家」ですが、増減の動きは小さく、2023年まではほぼ横ばいの範囲内で推移していました。2024年(前年比0.6%・12店舗増)、2025年(0.8%・15店舗増)と増加率がわずかながら上向いています。

吉野家 ~2021年以外は増加基調で推移~
「吉野家」の店舗数は、全体的には増加基調で推移しています。前年に比べ最も増加した年は2019年(9.0%・98店舗増)で、2021年にはコロナ禍の影響からか減少しています。2024・2025年と直近2年でやや増加率が上向いているのは「すき家」と同様の傾向です。

松屋 ~直近2年に力強い伸び示す~
「松屋」の店舗数も、「吉野家」同様に2021年以外は増加基調で推移しています。直近2年の増加率が高い傾向も他2チェーンと共通していますが、松屋の場合は、2024年(4.3%・43店舗増)、2025年(7.6%・80店舗増)と、より力強い増加傾向を示しています。

売上高はおおむね好調 利益は? 客数・客単価は?
上項の【店舗数ランキング】【年推移】を見る限り、牛丼チェーンの国内店舗数は揃っておおむね増加傾向にあり、特に直近2年(2024・2025年)の増加率が高めとなっています。では、同時期の国内業績(運営会社)はどうなっているのでしょうか。
※下記文中における各チェーンの「売上高」「客数」「客単価」の月次推移は、すべて「既存店」のデータです。
直近第1四半期決算で「営業損失」も、客単価は高水準
まず、ゼンショーホールディングス(HD)の2025年3月期 決算短信(2024年4月1日~2025年3月31日)における「グローバルすき家(※)」セグメントの業績をみると、売上高が前年同期比で11.5%増、営業利益32.4%の増収増益。ところが、2026年3月期の第1四半期決算短信(2025年4月1日~6月30日)では、売上高が3.5%減となり、営業損失を計上しています。
※海外の「すき家」の業績も含まれています。
同チェーンでは今年(2025年)1月と3月に異物混入事案が発生しており、4日間の全店一時休止や、24時間営業を23時間にして集中的に清掃する時間を確保するなどの対策を講じています。決算短信では、営業停止中の諸費用や対策にかかる費用を計上したことによる営業損失と説明されており、同事案が直近の四半期決算に与えた影響の大きさが窺える結果となっています。
「すき家」の月次推移で異物混入発生以降の客数をみると、2025年3月(前年比99.2%)から前年を下回り、直近の9月まで前年割れの状態が続いています。このように客数には影響がはっきり見て取れるものの、売上高は4月のみ前年比マイナスとなり、5~9月は前年比増を確保しています。客単価は上期平均(4~9月)で108.8%と高水準を維持しています。
売り上げは順調も、コスト上昇で減益
吉野家ホールディングス(HD)の2025年2月期決算短信(2024年3月1日~2025年2月28日)における「吉野家」セグメントの業績は、売上高は前年同期比9.0%増と伸びたものの、セグメント利益は、賃上げなど人件費中心のコスト増により3.0%の減少となりました。
2026年2月期 第1四半期決算短信(2025年3月1日~5月31日)も、売上高は8.0%増加したもののセグメント利益は9.5%減少しており、「原材料費を中心としたコスト上昇など」を利益減の理由に挙げています。
今期に入って以降(2025年3~9月)の吉野家の月次推移をみると、売上高・客単価はすべて前年を上回って推移していますが、客数は7・8月のみ前年より増えています。「すき家」のような特殊要因はないものの、やはり客数には若干の減少傾向が表れているようです。
直近第1四半期決算は、売上・営業利益ともに絶好調
松屋ホールディングス(HD)の令和7年3月期決算短信※(2024年4月1日~2025年3月31日)では、売上高が前年同期に比べ20.9%増と大幅に増えているものの、営業利益は17.2%減となっています。 一方、令和8年3月期 第1四半期決算短信※(2025年4月1日~6月30日)では、売上高の増加幅が26.0%増とさらに拡大した上に、営業利益が620.1%増と急増。決算短信では、大幅な売り上げ増の理由として「既存店売上が前年同期比116.6%と前年を上回ったことに加え、前年度以降の新規出店等による売上増加分が寄与したこと等」を挙げています。
※松屋フーズHDが運営する牛めし以外の業態(とんかつ、寿司、カレー等)の業績も含まれています。
今期上期(2025年4~9月)の、松屋の月次推移にも「好調」は表れており、売上高は平均で前年同期比112.8%、客数が102.2%、客単価110.4%と、ほか2チェーンのよりも高めの数値となっています。
このところの一番の話題といえば・・・
このところ牛丼業界で一番の話題となったのは、最大手・すき家の「一部商品値下げ(2025年9月発表)」です。牛丼の「並盛」を30円引き下げて450円としました。
原材料費・人件費等の高騰で飲食業全般的に値上げに動く中、「逆張り」の価格改定発表とあって、インパクトのあるニュースとなりました。異物混入事案等の影響で減少した来客数の挽回を狙った戦略であるとみられています。
3チェーンの業績をみる限り売上好調は持続しているものの、コスト上昇や消費者の節約志向を背景に、すでに一部では収益性の低下がみられます。そんな中ですき家の「値下げ」の結果や業績への影響はどうなるのか、また他社も値下げに動いてかつてのような「牛丼戦争」へと発展するのか、など、今後の動向が気になるところです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
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