【2022年版】ホームセンターの店舗数ランキング

2022年5月9日 | 業界・地域分析

ホームセンターチェーン

前年の巣ごもり特需の反動で「減収減益」が目立った2021年。そんなコロナ2年目のホームセンター業界は、店舗数ではどのような動きをみせていたのでしょうか。
今回の2022年版(2021年1月~2022年1月)では、当社のチェーン店データを元に、1年間におけるホームセンター店舗数の推移や、チェーン別店舗数ランキングと増減状況など、前回2021年版(2020年1月~2021年1月)との比較も交えて振り返ります。


データの集計方法について


  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2022年1月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2022年1月と2021年1月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。

ホームセンター 店舗数推移(月別)

↑1.9% 増加幅は小さいものの、ほぼ毎月店舗数が増加


2022年版(2021年1月~2022年1月)のホームセンター全体の店舗数は、1→2月の13店減を除き、ほぼ毎月増え続けています。とはいえ、最も多い月でも27店ほどの増加で、平均10店程度の小幅な増加に止まっています。
2021年のホームセンター業界は、ドラッグストア同様に、前年のコロナ関連需要の反動減に見舞われました。2022年1月と前年1月を比較した店舗数は増加しているものの、前回2021年版(2021年1月と2020年1月の比較)増加率に比べ、0.5ポイント低下しています。


2022年のホームセンター店舗数推移

店舗数の前年同月比増減率

業種 2021年1月 2022年1月 増減率(%)
ホームセンター 5,490 5,596 +1.9

【チェーン別ランキング】
増加率首位は2年連続で「プロ向け業態」が獲得

チェーン別ランキングを1月の前年同月比でみると、店舗数1位の「コメリ」は1.8%の若干増で、2位「ワークマン」は4.3%増、3位「ナフコ」は0.6%の微減となっています。
全体に増加・減少幅が小さめな中で、飛びぬけているのがDCMグループ「プロショップホダカ」の58%増です。特に2→3月が15店舗増と一気に増え、順位も前回2021年版から7ランクアップの20位に浮上しました。前回増加率1位の「コーナンPRO」に続き、今回もプロ向け業態が断トツの増加率。小型店のため増やしやすいとはいえ、プロショップの攻勢が続いています。
そのほか増加率が大きいのは「ホームセンター スーパービバホーム」の約9%増、「ホームセンターコーナン」の約6%増、といったところ。一方、減少幅が比較的大きいチェーンは「ニシムタ(9.5%減)」「コーナンホームストック(8%減)」で、そのほかは微減のチェーンが多くなっています。
また、プラスマイナスゼロの現状維持も10チェーンとランキングの3分の1を占め、そのうち2年連続現状維持が6チェーンにのぼるなど、出店に慎重な姿勢も目立ちます。

チェーン別 店舗数ランキング(上位30チェーン)

順位 チェーン名 2021年1月 2022年1月 増減率(%)
1位 コメリ 1,307 1,331 +1.8
2位 ワークマン 903 942 +4.3
3位 ナフコ 347 345 -0.6
4位 ホームセンターコーナン 253 268 +5.9
5位 カインズ 233 238 +2.1
6位 アストロプロダクツ 186 189 +1.6
7位 ホームセンター DCMホーマック 189 188 -0.5
8位 ホームセンター ケーヨーD2 170 167 -1.8
9位 ホームセンター ダイキ 152 150 -1.3
10位 ジュンテンドー 127 127 0
11位 ホームコンビニ ホーマックニコット 106 109 +2.8
12位 DCMカーマ 106 107 +0.9
13位 コーナンPRO 97 102 +5.2
14位 サンデー 73 72 -1.4
15位 ダイユーエイト 70 70 0
16位 建デポ 66 68 +3.0
17位 ホームセンターグッデイ 65 65 0
18位 ビバホーム(ホームセンター スーパービバホーム) 56 61 +8.9
19位 ロイヤルホームセンター 50 50 0
20位 DCMカーマ(プロショップホダカ) 31 49 +58.1
21位 ビバホーム(ホームセンター ビバホーム) 46 46 0
21位 コーナンホームストック 50 46 -8.0
23位 ひらせいホームセンター 44 44 0
24位 ホームセンタームサシ 42 42 0
25位 ニシムタ 42 38 -9.5
26位 島忠 38 37 -2.6
27位 ホームセンターバロー 33 34 +3.0
28位 ホームワイド 29 29 0
29位 ホームセンター イエローグローブ 26 26 0
29位 ホームセンター&家具・インテリア 山新 26 26 0

「減収減益」が目立つ業績 収益改善の決め手は?

「巣ごもり」は不調、「アウトドア」は好調


ホームセンター各社の2021年度の業績発表(主に2022年2月期)をみると、「減収減益」が目立つ厳しい決算となっています。同業界ではコロナ禍以前から販売額が頭打ち傾向にあったため「前々年比(2019年比)では増加している」と楽観視する向きもありますが、同じように特需の反動減となったスーパーやドラッグストアに比べ、売り上げや利益の減少幅がやや大きい点が気にかかります。

好不調の傾向は部門別にはっきり表れており、衛生用品や日用品、インテリア用品など巣ごもり消費にかかわる商品の不振と対照的に、園芸用品やアウトドア関連、レジャー・スポーツ、ペット用品などは堅調な売れ行きを示しています。コロナ禍をきっかけに盛り上がった需要のすべてが一過性であったわけではなく、キャンプやDIY、ガーデニングなどへの高いニーズが依然続いていることに希望が見い出せます。



原材料・物流費高騰の中で、どう収益を確保するか?


こうした中、ホームセンターの店舗数はここ数年増加基調を維持しています。運営企業の中には、コロナ禍で閉店した居抜き物件(紳士服店等)への出店を進めるなど、費用を抑える工夫をしながら出店を加速する動きもみられます。
以前から1店舗当たりの売上高が減少傾向にあったホームセンター業界では、売り上げや利益を確保するためにも一定の新規出店を続けていく必要があります。このため、ドラッグストアでみられるような高速出店は難しいものの、今後も基本的には出店拡大が続くのではないかと考えられます。

また、同業界ではこのところ、プライベートブランド(PB)の拡充やECサイトの強化を進める動きが目立っています。特に利幅の厚いPBは収益改善のカギとみられ、品目数を増やし、売り上げに占める構成比を高める動きが相次いでいます。

2020年のコロナ特需で頭打ち状態だった市場が俄かに膨らんだものの、2021年には反動でまた少し萎んでしまったホームセンター業界。原材料高や人件費・物流費の高騰、業種の垣根を超えた競争激化などの環境悪化が続く中で、収益改善や経営効率化が急務となっています。M&Aやグループ内の店舗再編、専門店型業態への参入・拡充、経営やマーケティングのデジタル化など、生き残りをかけた模索が今後もまだまだ続きそうです。


本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


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