【データで検証】コロナ禍は飲食店の店舗数にどう影響したか

2021年11月8日 | 業界・地域分析

コロナ禍の飲食店

コロナ第5波が収束しつつある2021年秋、大きな影響を受けた飲食店も通常時間の営業へと動き出しました。コロナ感染症自体の収束は予断を許さない状況であるものの、ようやく光が見えてきたところです。
今回は、当社のチェーン店データを元に、コロナ禍が影も形もなかった2年前と比較した現在(※)の店舗数増減状況、2年間(2019年9月~2021年9月)の主要チェーン店舗数推移を集計しました。第1波から続く長いコロナとの闘いを、飲食チェーン店舗数の動きと合わせて振り返ります。


※記事作成時点(2021年9月)


データの集計方法について

  • 集計元のチェーン店データは、飲食店チェーンの公開情報を当社が調査・収集したものです。すべての飲食店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。ランキング表の対象月(2019年9月、2021年9月)に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • ランキング表の「対2019年9月比」は、2019年9月と比較した2021年9月の増減状況を百分率(%)で示したものです(小数点以下は四捨五入)。

目次

飲食店業種を以下のように分類しています。クリックすると各項目に移動します。


ファミリーレストラン - 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
和食系 鍋・しゃぶしゃぶ、寿司、牛丼・丼物、とんかつ・かつ丼、てんぷら・天丼、そば、うどん 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
洋食系 創作料理・レストラン、カレー、ハンバーグ・ステーキ、パスタ・ピザ 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
ラーメン・餃子 - 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
焼肉 - 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
ファストフード ハンバーガー、宅配ピザ、弁当・惣菜、たこ焼き・たい焼き、お好み焼き・もんじゃ焼き 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
居酒屋・バー - 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)
カフェ・喫茶 カフェ・喫茶・漫画喫茶・ネットカフェ 【表】店舗数ランキング(2021年9月時点)
【グラフ】店舗数の増減状況(2年前との比較 ※1)
【グラフ】上位3チェーンの月別店舗数推移(2年間 ※2)

※1 2019年9月と比較した2021年9月の増減状況を百分率(%)で示したグラフ。

※2 2019年9月から2021年9月まで。


= まとめ = 増えた、減った、変化なし・・・チェーン間の違いどこにある?
《 参考データ 》 国内の感染者数(1日ごと) 情報:NHKまとめ

ファミリーレストラン

2年前比で店舗数が増加したのは4チェーン、大きな伸びは「ジョリーパスタ」のみ


上位20チェーン中、2年前(2019年9月)の店舗数に対して増加したのは4チェーン、その内大きな伸びは「ジョリーパスタ(118%)」のみで、あとは若干増に止まっています。
一方、店舗数が減少したのは15チェーンで、「ジョナサン」と「ビッグボーイ」が2年前の75%程度、ランキング3位の「ジョイフル」も8割程度に減少しています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 ガスト 1,346 1,333 99
2位 サイゼリヤ 1,084 1,087 100
3位 ジョイフル 775 627 81
4位 ココス 582 527 91
5位 バーミヤン 331 342 103
6位 デニーズ 367 327 89
7位 ジョリーパスタ 249 293 118
8位 ロイヤルホスト 219 218 100
8位 ジョナサン 295 218 74
10位 和食さと 204 207 101
11位 ビッグボーイ 263 196 75
12位 夢庵 188 174 93
13位 ステーキガスト 135 123 91
14位 カプリチョーザ 98 95 97
15位 和風レストランまるまつ 97 93 96
16位 ポポラマーマ 108 92 85
17位 レストラン庄屋 59 55 93
18位 ばんどう太郎 48 49 102
19位 藍屋 47 44 94
20位 トマト&オニオン 53 43 81

【グラフ】ファミリーレストラン 店舗数の増減状況(2年前との比較)

ファミリーレストラン増減状況

トップ3 店舗数推移「ガスト」「サイゼリヤ」はキープ、「ジョイフル」は約2割減


ランキング1位の「ガスト」の店舗数は、コロナ第1波後の2020年5月をピークに下降し、11月を底に2021年3月に向けてやや持ち直した後、ほぼ横ばいで推移しています。2位の「サイゼリヤ」は小刻みに増減を繰り返し、最新の店舗数(2021年9月、記事作成時点)は2年前とほぼ同水準に収まっています。
一方、第3位の「ジョイフル」は、2020年8月の761店を境に下降をたどり、2年前と比べ150店近く減少しています。特に第2波に見舞われた2020年8~9月(23店減)と第3波の2020年12月~2021年1月にかけて(61店減)が大きな減少幅となっています。


ガスト店舗数推移 サイゼリヤ店舗数推移 ジョイフル店舗数推移

和食系

2年前比で店舗数が増加したのは9チェーン、寿司ジャンルが高い伸び


ランキング20位のうち、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンは9社で、最も増加したのは「くら寿司(対2019年9月比=143%)」。この「くら寿司」を筆頭に「スシロー」「はま寿司」の3社は比較的高い伸びを示しており、コロナ禍の厳しい環境下での「寿司ジャンル」の強さを示しています。
一方、「すき家」「吉野家」「松屋」の牛丼御三家は、2年前とほぼ同水準を維持しています。また、「しゃぶしゃぶ温野菜」と「赤から」「そじ坊」は、2年前の85%程度に減少しています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 すき家 1,930 1,932 100
2位 吉野家 1,186 1,178 99
3位 松屋 962 960 100
4位 丸亀製麺 825 852 103
5位 スシロー 527 603 114
6位 はま寿司 508 545 107
7位 くら寿司 343 492 143
8位 なか卯 460 465 101
9位 かつや 399 428 107
10位 はなまるうどん 437 408 93
11位 丼丸 373 395 106
12位 銀のさら -※ 361
13位 さぼてんデリカ -※ 325
14位 かっぱ寿司 325 311 96
15位 しゃぶしゃぶ温野菜 349 291 83
16位 しゃぶ葉 260 274 105
17位 赤から 282 240 85
18位 松のや 179 205 115
19位 ゆで太郎 205 203 99
20位 そじ坊 111 95 86

※2019年9月時点の収集なし

【グラフ】和食系チェーン 店舗数の増減状況(2年前との比較)

和食系増減状況

トップ3 店舗数推移 牛丼御三家は現状維持、7位の「くら寿司」が出店積極姿勢、


和食系の店舗数トップ3は牛丼御三家(すき家、吉野家、松屋)が占めており、いずれも2年間で多少の増減はあるものの、比較的平坦な推移となっています。コロナ禍の波との関連性も見受けられず、現状維持に努めた様子が窺えます。
一方、2年間で最も増加した「くら寿司」の推移をみると、コロナ第1波後の2020年5~6月にかけて約100店と急増し、その後も緩やかに上昇をたどっています。コロナの下でも積極的な出店を進めています。


すき家店舗数推移 吉野家店舗数推移 松屋店舗数推移 くら寿司店舗数推移

洋食系

上位の店舗数減少が目立つ洋食系 一方で2年間に急拡大したチェーンも


ランキング20位のうち、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンは5社。中でも9位の「マイカリー食堂(松屋フーズ)」は、2年間で4店から89店に拡大したため、対2019年9月比増加率が2225%と突出しています。
一方、ランキング上位3チェーンが揃って店舗数を減らしている点が特徴的です。特に「びっくりドンキー」と「いきなり!ステーキ」はそれぞれ2年前の67%と73%で、ほかの飲食業種と比べても減少幅の大きさが目立っています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 カレーハウス CoCo壱番屋 1,266 1,239 98
2位 ハンバーグレストラン びっくりドンキー 482 323 67
3位 いきなり!ステーキ 319 232 73
4位 洋麺屋五右衛門 193 206 107
5位 鎌倉パスタ 199 187 94
6位 ペッパーランチ 148 158 107
7位 ブロンコビリー 135 128 95
8位 ステーキ宮 141 124 88
9位 マイカリー食堂 4 89 2225
10位 テン.フォー -※ 86
11位 ゴーゴーカレー 70 77 110
12位 梅の花 76 74 97
13位 ポムの樹 74 71 96
14位 ステーキのあさくま 69 67 97
15位 サルヴァトーレ 73 64 88
16位 ステーキのどん 69 63 91
17位 ベーカリーレストランサンマルク 63 59 94
17位 フライングガーデン 61 59 97
19位 100時間カレーB&R 20 43 215
20位 イタリアンレストラン キャナリィ・ロウ 42 41 98

※2019年9月時点の収集なし

【グラフ】洋食系チェーン 店舗数の増減状況(2年前との比較)

洋食系増減状況

トップ3 店舗数推移「CoCo壱番屋」は横ばいから若干減、「いきなり!ステーキ」「びっくりドンキー」は急降下の月あり


ランキング1位の「CoCo壱番屋 」の店舗数は、規模からすれば若干の減少に過ぎないものの、後半の1年(2020年9月以降)の減少幅がやや大きくなっています(24店減)。「びっくりドンキー」は2019年9~10月にかけて一気に160店ほど減少し、その後はほぼ横ばいに推移しています。
一方、「いきなり!ステーキ」は2019年9~10月に一旦急増したものの、ダイヤモンドプリンセス号が横浜港に入港した2020年2月を境に下降をたどり、第2波前の2020年6月~7月に急降下、その後は緩い下降傾向を続けています。コロナ禍との因果関係は不明ですが、今回最も激しく変化しているチェーンの一つです。
ちなみに2年間で急拡大した「マイカリー食堂」の推移をみると、第4波の拡大に差し掛かった2021年4月あたりから一段と出店を加速させています。コロナの大きな波に合わせるかのように逆張りで増加している状況が興味深いです。


CoCo壱番屋店舗数推移 びっくりドンキー店舗数推移 いきなりステーキ店舗数推移 マイカリー食堂店舗数推移

ラーメン・餃子

10位以降のチェーンが順調に店舗数を伸ばし、上位チェーンは頭打ち傾向


ランキング20位のうち、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンは9社で、最も増加したのは「横浜家系(対2019年9月比=165%)」。そのほか「田所商店」や「一風堂」「丸源ラーメン」「魁力屋」など、ランキング10位以降のチェーンが順調に店舗数を伸ばしています。
一方、1位「餃子の王将」と4位「日高屋」が2年前と全くの同数で、2位「リンガーハット」、3位「幸楽苑」は2年前の87%、83%となっており、大手チェーン店舗数の頭打ち感が強まっています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 餃子の王将 731 731 100
2位 リンガーハット 683 596 87
3位 幸楽苑 501 416 83
4位 日高屋 402 402 100
5位 大阪王将 342 360 105
6位 Sugakiya 300 256 85
7位 来来亭 248 245 99
8位 天下一品 230 232 101
9位 らあめん花月 209 196 94
10位 丸源ラーメン 143 168 117
11位 山岡家 149 163 109
12位 くるまや 153 150 98
13位 田所商店 111 139 125
14位 8番らーめん 121 118 98
15位 魁力屋 92 107 116
16位 一風堂 83 104 125
17位 横浜家系 62 102 165
18位 どさん子ラーメン -※ 101
19位 ぎょうざの満州 95 100 105
20位 筑豊ラーメン 山小屋 91 84 92

※2019年9月時点の収集なし

【グラフ】ラーメン・餃子 店舗数の増減状況(2年前との比較)

ラーメン餃子店舗数増減状況

トップ3 店舗数推移「リンガーハット」は2020年7月頃から、「幸楽苑」はコロナ禍以前から徐々に減少傾向


トップ3の推移をみると、「餃子の王将」は2~3店程度の増減を繰り返す安定した推移で、結局は2年前と同じ店舗数に落ち着いています。「リンガーハット」は、ほぼ横ばいの推移が2020年7月頃から下降傾向となり、特に2020年12月から2021年3月にかけて、第3波の拡大に合わせるかのように急な下降曲線を描いています。また「幸楽苑」は、2019年9月をピークに下降をたどり、特に2019年12月から翌年1月にかけてが最も大きな減少となっています。以降も横ばいもしくは若干下降気味の推移となっています。


王将店舗数推移 リンガーハット店舗数推移 幸楽苑店舗数推移

焼肉

2チェーンが店舗数倍増の一方、2年前の6割にしぼむチェーンも


ランキング20位のうち、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンは7社、3チェーンが2年前と同数です。上位チェーンでは、「焼肉きんぐ」「七輪焼肉安安」「牛繁」が10~20%増しと、比較的高い伸びを示しています。また、ランキング12位の「カルビ丼とスン豆腐専門店 韓丼」と17位「熟成焼肉いちばん」が、2年前に比べ店舗数を倍増させており、15位「ときわ亭」も、対2019年9月比で157%と順調に出店数を伸ばしています。しかし一方では2年前の60%程度に落ち込んだチェーンもあるなど、明暗が分かれています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 牛角 629 600 95
2位 焼肉きんぐ 226 273 121
3位 七輪焼肉安安 159 177 111
4位 安楽亭 181 166 92
5位 牛繁 142 161 113
6位 本格焼肉 あみやき亭 113 111 98
7位 ワンカルビ 88 88 100
8位 情熱ホルモン 88 76 86
9位 焼肉トラジ 71 71 100
10位 焼肉ライク -※ 69
11位 大阪焼肉・ホルモン ふたご -※ 67
12位 カルビ丼とスン豆腐専門店 韓丼 32 65 203
13位 叙々苑 50 56 112
14位 焼肉なべしま 55 55 100
14位 ときわ亭 35 55 157
16位 肉匠坂井 41 46 112
17位 熟成焼肉いちばん 22 44 200
18位 じゅうじゅうカルビ 71 43 61
19位 カルビ大将 50 42 84
20位 焼肉五苑 48 40 83

※2019年9月時点の収集なし

【グラフ】焼肉チェーン 店舗数の増減状況(2年前との比較)

焼肉店増減状況

トップ3 店舗数推移 「牛角」がやや減少、「焼肉きんぐ」「七輪焼肉安安」はやや増加


トップ3の2年間の店舗数推移をみると、「牛角」はコロナ第1波の2020年3月(628店)を境に少しずつ下降し、直近の2021年9月が最も少ない店舗数(600店)になっています。「焼肉きんぐ」は一貫して店舗数を増やし、この2年間で47店増加しています。また「七輪焼肉安安」も、少しずつながらも増加傾向を堅持し、2年間で18店増となりました。


牛角店舗数推移 焼肉きんぐ店舗数推移 安安店舗数推移

ファストフード

9位以内は2年前と同水準または増加、10位以降は減少が目立つ


上位20チェーン中、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンは7社。上位10チェーンは2年前と同水準または増加したチェーンが多く、中でも最も増加したのは、ランキング6位の「ドミノピザ(対2019年9月比=133%)」です。減少幅がやや大きいのは持ち帰り弁当大手2チェーンで、2年前の90%、93%と共に減少しています。
一方、10~20位のチェーンはほとんどが2年前に比べると減少しており、下位チェーンや新興勢が店舗数を伸ばすラーメン・餃子や焼肉とは異なる傾向を示しています。
もっとも下位チェーンでも「バーガーキング」だけは例外で、153%と躍進しています。同チェーンは今後も毎年30~50店舗の新規出店を計画しており、順調にいけば数年後には10位以内に躍り出るかもしれません。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 マクドナルド 2,887 2,919 101
2位 ほっともっと 2,726 2,457 90
3位 モスバーガー 1,281 1,240 97
4位 ケンタッキーフライドチキン 1,118 1,138 102
5位 ほっかほっか亭 907 842 93
6位 ドミノピザ 610 811 133
7位 ピザーラ 528 530 100
8位 銀だこ 486 486 100
9位 ピザハット 408 447 110
10位 本家かまどや 498 430 86
11位 キッチンオリジン 393 367 93
12位 ロッテリア 344 319 93
13位 道とん堀 236 215 91
14位 フレッシュネスバーガー 187 172 92
15位 サブウェイ 208 170 82
16位 京樽 166 151 91
17位 じゃんぼ總本店 146 134 92
18位 バーガーキング 85 130 153
19位 日本亭 107 111 104
20位 米八 95 90 95

【グラフ】ファストフード 店舗数の増減状況(2年前との比較)

ファストフード増減状況

トップ3 店舗数推移「マクドナルド」はやや上向きに、「ほっともっと」「モスバーガー」はやや下向きに推移した2年間


トップ3の2年間の店舗数推移をみると、最大手「マクドナルド」は小刻みの増減を繰り返しながらもやや上向きに動き、2年間で40店ほど増加しています(対2019年9月比=101%)。「モスバーガー」は「マクドナルド」の逆パターンで、小刻みの増減を繰り返しながらやや下向きに動き、2年間で40店ほど減少しています(対2019年9月比=97%)。
一方「ほっともっと」は、2019年9~10月にかけて一気に約230店が減少し、以降は1~2店単位で少しずつ減少する状態が続いています。
いずれにしても、コロナ禍の波とは全く関連性がない出退店状況のようです。


マクドナルド店舗数推移 ほっともっと店舗数推移 モスバーガー店舗数推移

居酒屋・バー

増加したのは2チェーンのみ 居酒屋の厳しい現状映す


ランキング20位のうち、2年前と比べて店舗数が増加したチェーンはたったの2社で、「串カツ田中(対2019年9月比=113%)」と「職人握り寿司居酒屋 や台ずし(対2019年9月比=125%)」。「串カツ」に「寿司」と、核になる料理が明確なチェーンが強みを発揮しているようです(「やきとり」はなぜか軒並みふるいませんが)。
減少しているチェーンでは、2年前の80~85%程度に減っているケースが半数にのぼり、60%程度まで落ち込んでいるチェーンも2社みられます。時短、休業、酒類提供制限に翻弄された居酒屋の厳しい現状を反映した結果となりました。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 鳥貴族 659 615 93
2位 やきとり大吉 566 527 93
3位 魚民 592 497 84
4位 串カツ田中 257 290 113
5位 職人握り寿司居酒屋 や台ずし 221 276 125
6位 八剣伝 296 249 84
7位 養老乃瀧 300 246 82
8位 庄や 248 203 82
9位 くいもの屋わん -※ 184
10位 目利きの銀次 190 173 91
11位 やきとりの扇屋 177 152 86
12位 つぼ八 187 150 80
13位 はなの舞 248 146 59
14位 白木屋 164 139 85
15位 山内農場 157 130 83
16位 磯丸水産 127 123 97
17位 ミライザカ 196 118 60
18位 三代目 鳥メロ 145 116 80
19位 秋吉 110 108 98
20位 千年の宴 126 106 84

※2019年9月時点の収集なし

【グラフ】居酒屋・バー 店舗数の増減状況(2年前との比較)

居酒屋増減状況

トップ3 店舗数推移「鳥貴族」「やきとり大吉」は2年前の93%に、「魚民」はさらに厳しく84%


トップ3の2年間の店舗数推移をみると、3チェーンとも店舗数の規模が比較的近く、似たような下降線を描いています。「鳥貴族」は、2019年11月をピークに徐々に下降し、2年間で44店減となっています(対2019年9月比=93%)。「やきとり大吉」も2019年9月から毎月数店ずつ減っていき、2年後には計40店減となりました(対2019年9月比=93%)。「魚民」は第3波の拡大が始まった2020年12月から翌1月にかけてやや減少の度合いが大きくなり、さらに第4波の兆しが見えた2021年4月頃もう1段減少幅が広がっています。2年間の減少数も計95店と、トップ3で最も厳しい退店状況となっています(対2019年9月比=84%)。


鳥貴族店舗数推移 やきとり大吉店舗数推移 魚民店舗数推移

カフェ・喫茶

店舗数が増えたのは7チェーン 漫画喫茶・ネットカフェで明暗くっきり


上位20チェーンのうち、2年前と比べて店舗数が増加したのは7チェーンで、最も増加したのは「エクセルシオール カフェ(対2019年9月比=133%)」。「快活CLUB」も2年前の20%増しですが、同じ漫画喫茶・ネットカフェの2チェーンが大きく減少しており(対2019年9月比=79%、70%)、明暗が分かれています。
そのほか「Starbucks Coffee」「星乃珈琲店」「ホリーズカフェ」は約10%増しと順調に店舗網を広げており、「コメダ珈琲店」や「タリーズコーヒー」も2年前と比べ106%、103%と若干ながら増加しています。

店舗数ランキング(上位20チェーン、2021年9月時点)

順位 チェーン名 2019年9月
(店舗数)
2021年9月
(店舗数)
対2019年9月比
(%)
1位 Starbucks Coffee 1,467 1,661 113
2位 ドトールコーヒーショップ 1,111 1,075 97
3位 珈琲所 コメダ珈琲店 843 897 106
4位 タリーズコーヒー 726 751 103
5位 快活CLUB 427 519 122
6位 サンマルクカフェ 401 364 91
7位 星乃珈琲店 247 279 113
8位 珈琲館 228 213 93
9位 PRONTO 218 190 87
10位 CAFE de CRIE 184 180 98
11位 カフェ・ベローチェ 176 162 92
12位 自遊空間 166 131 79
13位 エクセルシオール カフェ 87 116 133
14位 上島珈琲店 111 102 92
15位 ホリーズカフェ 82 92 112
16位 コミックバスター 123 86 70
17位 アフタヌーンティー 87 85 98
18位 BABY FACE Planet's 86 83 97
19位 ルノアール 90 78 87
19位 珈琲屋らんぷ 81 78 96

【グラフ】カフェ・喫茶 店舗数の増減状況(2年前との比較)

カフェ・喫茶増減状況

トップ3 店舗数推移「Starbucks Coffee」「コメダ珈琲店」はやや上向き、「ドトールコーヒーショップ」はやや下向きに推移


トップ3の2年間の店舗数推移をみると、「Starbucks Coffee」は小刻みの増減を繰り返しながらも着実に店舗数を伸ばしており、2年間で200店弱の増加となっています(対2019年9月比=113%)。「コメダ珈琲店」も、「Starbucks Coffee」より緩やかながら同様に店舗数を増加させています(対2019年9月比=106%)。
一方、「ドトールコーヒーショップ」は、若干下向きに推移しており、2021年9月は2年前より35店減少しています(対2019年9月比=97%)。


スターバックス店舗数推移 ドトール店舗数推移 コメダ店舗数推移

= まとめ = 増えた、減った、変化なし・・・
チェーン間の違いはどこにある?

2年前と比べて店舗数が増加しているチェーンの数は、どの飲食業種でも過半数を上回ることなく、20チェーン中、平均で6.3チェーンといったところです。逆に言えば、全体の3分の2以上のチェーンがこの2年で店舗数を減らしていることになります。一般的に、売上高のようにコロナ禍の波に合わせて直ちに店舗数が変動するとは考えられませんが、多くの飲食チェーンは、多かれ少なかれコロナ禍の影響を受けていることが2年間の動きから見て取れます。

全体として言えるのは、店舗数上位の大手チェーンは横ばいの現状維持もしくは着実にコツコツと店舗数を増やしていったチェーンと、コロナ禍の影響で徐々に店舗数を減らしていったチェーンとに分かれていること。目立って店舗数を伸ばしているのは、少ない店舗から順調に出店を加速した新興チェーンが多いことです。また、コロナ禍以前に、短期間で店舗数が急減しているチェーンもみられ、これらは以前から業績不振に陥っていたか、業態の再編や出店戦略を変化させたことなどが背景として考えられます。さらに、都心の駅前や繁華街中心か、郊外中心かといった立地の違いや、店のスタイル・料理が現在のニーズに合っているかなどの要素も、微妙に影響しています。

飲食業全体が営業に制限を受け消費者が外出を控える厳しい環境下、飲食店もただ手をこまねいているばかりではありません。デリバリーやテイクアウトの導入・強化をはじめ、時代の要請に合わせたメニュー開発、公式アプリ・クーポン、需要の高低に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの導入など、さまざまな工夫により打開を図る動きがみられました。こうした戦略の違いも、コロナ以前~以後の店舗数推移に反映されたものと推察できます。


参考データ

※NHKがダウンロード提供している新型コロナウイルスに関するデータベースを、日本ソフト販売がグラフ化したものです。


NHK-コロナ感染者数推移

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本記事は日本ソフト販売のチェーン店舗データをもとに作成しています。飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど、全国のチェーン店舗データを提供するサービスについて、詳しい情報を掲載しています。


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