企業属性の付加で実現する、BtoBのデータ活用【10の事例】
2025年8月12日 | データベース
企業の多くはCRM、SFA、MA等(※)のツールを使って、顧客(取引先)情報を収集・管理しています。そして、展示会や営業活動での名刺交換、問い合わせ、メルマガ配信登録、ホワイトペーパーのダウンロード、アンケート回答、セミナー申し込みなど、オンライン・オフラインの両面から「見込み顧客」の情報が日々追加されていきます。
とはいえ、企業が直接取得できるデータは断片的であったり、得られる情報にも限りがあります。いざデータ活用しようとした時「これにあの情報が付いていたら・・・」となる場合も少なくないのではないでしょうか。
当社(日本ソフト販売)では様々な属性情報を保有しており、企業の顧客(取引先)データベースに付加するサービスを提供しています。
属性情報を付加するとどんなことができ、どのようにデータ活用の可能性が拡がるのか、当社での事例を元にご紹介します。
※CRM:顧客管理システム、SFA:営業支援システム、MA:マーケティングオートメーション
目次
付加可能な「属性情報」にはどんなものがあるか
顧客データを効果的に活用するために
そもそも、企業が自社の顧客データ(企業情報)を顧客分析やマーケティング等で効果的に活用するためには、どんな内容(項目)のデータを保有していればよいのでしょうか。
一般的な基本情報は「法人名(会社名)」「住所」「郵便番号」「電話番号」「メールアドレス」「担当者名」「役職」「部署」といったところですが、「購入履歴」や「問い合わせ内容」が必須という企業もあれば、規模を推し量れる情報(資本金、従業員数、売上高等)を必要とする企業もあります。「業種」や「業界固有の情報」を顧客情報と合わせて管理したい、という場合もあるでしょう。
また、複数部署で使っているCRM、SFA、MA等のデータ連携が整っている場合は、情報の社内共有ができるため、SFAで管理している顧客との「商談内容」「案件の進捗状況」「契約額の目安」等をCRMでも把握することができるはずです。さらに、MAから得られる見込み客の「成約予測のスコアリング」や既存顧客の「行動履歴」など、より深くリアルタイムな属性情報を、社内で可視化することも可能になります。
結局のところ、データ活用の目的によって、それぞれの企業が必要な情報(持つべき顧客データの内容)も違ってきます。したがって、まずは「顧客データを使って何をしたいか」「データを分析してマーケティング戦略や商品開発にどう役立てたいか」といった目的を明確にすることが重要、といえそうです。
属性付加で、顧客データを「リッチ化」「最新化」
ただ、これら必要な顧客情報をすべて持っており、いつでも活用可能な状態であれば何も問題はありませんが、企業が直接取得できるデータは断片的であったり、得られる情報にも限界がある、というのが実際のところです。
そんな時、自社にない属性情報を付加したり、欠落している情報を補なうことによって各顧客情報をリッチ化し、手持ちの情報だけではできなかった分析が可能になることがあります。
また、顧客データは、誤入力や重複があったり、変更されていたり、古くなっていたり、ということが日常的に起こります。
属性情報の付加は、このようなデータを最新化・正規化する手段にもなり得ます。たとえば企業の顧客データと「住所」や「電話番号」の最新の辞書データベースを照合(マッチング)することにより、住所・電話番号を一括して更新することが可能です。
では、顧客データに付加できる情報にはどんなものがあるのか―。当社で提供可能な属性情報を例として、一覧にまとめてみました。
【表】日本ソフト販売で付加が可能な情報の例
◆ 基本情報など
| 情報の種類 | 付加による効果(例) |
|---|---|
| 住所 | 一部欠落を補完。誤入力を訂正。古い情報を最新化。表記の「ゆれ」正規化。 |
| 郵便番号 | |
| 電話番号 | |
| 法人名 | 法人名や法人格の「ゆれ」を吸収し、正しい法人名に統一など。 |
| 法人番号 | 企業の識別や管理など。 |
| ヨミガナ | データベースの検索性を高めるなど。 |
| 業種 | ターゲット業種の絞り込みや顧客分析など。 |
| 適格請求書発行事業者番号 | 取引先の情報管理・運用など。 |
◆ 規模・信用判断情報
| 情報の種類 | 付加による効果(例) |
|---|---|
| 資本金 | 信用判断の基礎情報として。ターゲットの絞り込みなど。 |
| 従業員数 | |
| 売上高 | |
| 電話番号使用状況 | 信用判断の基礎情報として。電話番号利用者の使用状況(有効、無効、都合停止、局預け等の状態)を確認。 |
◆ 位置情報
| 情報の種類 | 付加による効果(例) |
|---|---|
| 座標 | 顧客や取引先をGIS(地理情報システム)に展開して可視化、分析など。 |
| 住所コード | 地域別に検索、並べ替え、分析など。 |
◆ 業界特化情報
| 情報の種類 | 付加による効果(例) |
|---|---|
| 建設業許可情報 (国土交通省) |
既存取引先の確認。新規取引先の開拓など。 |
| 宅建業免許情報 (国土交通省) |
既存取引先の確認。新規取引先の与信審査など。 |
【10の事例】顧客データに企業属性情報を付加すると、どんなことができる?
1.「電話番号」を付加して新規開拓リストを作成
保険会社グループのA社では、企業や健康保険組合などを対象にヘルスケアサービスを提供しています。同社には、展示会やホワイトペーパーのダウンロード、問い合わせフォーム等から蓄積された当サービスの「見込み客リスト」があるものの、いざ活用しようとすると、電話番号がなかったり古くなっている情報が多いことがわかりました。
同社ではこの「見込み客リスト」に最新の電話番号を付加して、まずは連絡手段を確保しました。さらに、電話番号をキーに自社の顧客データベースと照合することにより、既存顧客やアプローチ済みの企業を除いた「新規開拓リスト」を作成しました。ターゲットを未開拓の企業に絞ることができ、より効率的な営業活動が実現しました。
2.「法人番号」を付加してユニークコードに
総合建設業のB社では、名刺等をデータ化した顧客データベースに、識別コードとして「法人番号」を付加しました。
手順としては、付加率を高めるために、まず顧客データベースの最新化・名寄せを実施したうえで法人番号を一括付加。同時に「住所」と「電話番号」が欠けているデータを補完しました。
今後は社内のデータ統合も計画しているため、その際には他部署データベースにも法人番号を付加し、統合の名寄せキーとして使いたいとのことです。
3.「ヨミガナ」を付加して検索性を向上
産業用機械メーカーのC社では、顧客データベースの取引先企業名と住所に「ヨミガナ」を付加しました。
同社では、CRMと連携したコールセンターシステムで顧客からの問い合わせ、部品供給、保守サービスなどに対応しています。名称に「ヨミガナ」を付けることによって、受付時に相手の名称を正確に読み上げることができ、顧客満足度を高めることができました。顧客データベースの検索が迅速かつ正確にできるようになり、リスト抽出の際などにも、五十音順にソートできる点が便利です。
また、今後は音声認識チャットボットを導入して電話対応の一部を自動化することを考えていますが、顧客情報にヨミガナが付いていることにより、CRMとの連携上で誤認識の低減や精度向上につながるものと期待しています。
4.「業種」を付加して顧客を分析
広告代理店 D社の求人広告担当部署では、多種多様な業種を顧客に持っているため、顧客データに「業種カテゴリ」を付加しました。
同社では、同じ顧客企業内の本店、支店、営業所、店舗などから別々に依頼される場合もあり、顧客データベースの管理が煩雑になりがちです。データの不備や重複も生じているため、まずデータクレンジングと名寄せでデータを整備した後、業種情報を付加しました。
業種分類が可能になったことで、業種ごとの傾向・特徴など分析がしやすくなり、営業戦略立案等に役立っています。
5.「座標」を付加して、GIS(地理情報システム)に展開
建材メーカーのE社では、建材商社やゼネコン、不動産会社、ビルダー(住宅建築会社)、リフォーム会社、設備工事会社などの取引先データベースを保有しており、これら業種を営業エリアごとにデータ分析し、新規顧客を開拓したいと計画しています。まず最初に、現在強化しているビルダーデータに座標を付加して自社のGISシステムに展開し、取引先ビルダーを地図上に見える化しました。
さらに、企業電話帳データベース(※)から地域と業種(建築工事、木造建築工事など)を指定した法人データを抽出してGISシステムに組み込みました。これにより、取引先・未取引先ビルダーの分布を把握できるようになり、無駄のない効率的なエリアマーケティングが実現しました。
※日本ソフト販売は、全国約500万件の企業電話帳データベースを保有しています。
6.「資本金・従業員数・売上高」を付加してターゲットを絞り込み
建設コンサルタント会社のF社では、顧客データベースに「資本金」「従業員数」「売上高」を付加しました。
同社の顧客データベースは、展示会等で獲得した見込み客情報が追加され、年々増加しています。このデータベースを事前にクレンジング・名寄せで整備し、企業規模の目安となる上記の3情報を付加しました。まず手始めに、従業員数が多い順にアプローチしていく考えです。
7.「建設業許可の取得状況」を付加してメンテナンス作業を効率化
建設・設備関連工事を手掛けるG社は、取引先の最新の建設許可状況を把握する目的で「建設業許可の取得状況」を一括付加しました。
建設業法では、営業に関する事項について営業所ごとに帳簿を作成し、記載・保存することが義務づけられており、その中には発注先の「建設業許可番号」や「有効期限」も含まれています。つまり、許可の有無や有効期限切れのチェックなど、発注先の情報メンテナンスが確実にできているか、が問われます。
同社では、今後も定期的に新しい許可情報を導入し、取引先情報をチェックしていく方針です。
8.「宅建業免許の取得状況」を付加して与信管理
不動産ファイナンス業務を手掛けるH社では、不動産仲介・販売会社などの取引先データベースに最新の「宅建業免許の取得状況」を一括付加しました。
宅地建物取引業の免許情報は、取引先の信頼性を測る基本的な指標であるため、「免許の有無」や「有効期限切れ」のチェックは必要不可欠な業務です。また、免許情報には「更新回数」が記載されているため、そこから推し量ることができる業歴も、信用度の指標の一つとなります。
このように、同社では宅建免許情報を付加し、取引先の与信審査の項目としています。
9.「インボイスの登録番号」を付加して取引先情報を正確に管理
ディスプレイ業のI社は、取引先データベースにインボイス(適格請求書)の登録番号を一括付加しました。
同社では、デザイナーや照明等の技術者、展示物・映像等の制作者、各種施工業者といった小規模事業者・個人事業主の取引先(外注先)を数多く抱えています。このため、インボイスを受け取る準備とともに、取引先情報を正確に管理する必要に迫られました。
インボイス登録番号の付加によって取引先のインボイス対応状況が把握でき、未登録の取引先にも「問い合わせ」や「話し合い」の対応をとることができました。
10.必要な情報が欠けているリストを「見込み客リスト」に
通信会社のJ社では、Webページの閲覧やフォームからのお問い合わせ、メールマガジン登録、キャンペーン申し込み、ホワイトペーパーダウンロード、SNSでのやりとり等の様々なチャネルから法人見込み客の情報が入ってきます。しかし、必要な情報が欠けていることが多く、顧客データと連携した実践的なデータ活用は難しい、というのが実情でした。必要な情報を一社一社追加で調べようと考えましたが、膨大な手間と時間が掛かってしまいます。
そこで、最新の「電話番号」「住所」や「業種」「FAX番号」「資本金」「従業員数」を付加して「見込み客リスト」を作成。自社の製品・サービスに関心がある会社をターゲットに、効果的な分析・マーケティングをおこなうことができました。
新たな情報を付けて顧客データの付加価値を高める
記事の最後に、当社が実際「どのような形で属性情報を提供しているか」についてご紹介します。
最も多いのは、企業の顧客(取引先)データに「属性情報を一括付加する」方法です。この場合、クレンジング・名寄せを同時におこなうことによって、属性情報の付加率を高めたり、付加後のデータ活用に向けて顧客データの精度向上を図るケースが多いです。
また、当社が保有する企業データベース(基本情報:企業名、電話番号、FAX番号、郵便番号、住所など)に希望の属性情報を付加し、企業データそのものを提供するケースもあります。システムにまるごと組み込んだり、地域や業種で抽出した「属性情報付の事業所リスト」として営業活動等に役立っています。
そして、当社ではこれら情報を定期的に更新しているため、電話番号や法人番号など、企業が未保有の新しい情報を追加で提供することも可能です。
顧客(取引先)データに新たな情報を付けてデータの付加価値を高めることは、データ活用を成功に導き、「各種管理業務の効率化」「営業効率化」「マーケティングの最適化」「リスク管理の強化」など、様々なビジネス上のメリットを生み出す可能性を秘めています。
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