【2023年版】ドラッグストアの店舗数ランキング
2023年4月17日 | 業界・地域分析
このところの外国人観光客の増加や化粧品需要の回復などで、都市型店舗にも以前の活気が戻りつつあるドラッグストア業界。店舗数はどんな動きをみせているのでしょうか。
2023年版(2022年1月~2023年1月)では、当社のチェーン店データを元に、ドラッグストア店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況を集計しました。また、上位チェーンの店舗数年推移(2019~2023年)やM&Aの動向、都道府県別の店舗展開状況などもまとめてみました。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2023年1月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2023年1月と2022年1月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。
目次
- 【月別推移】ドラッグストア 店舗数(全体、2022年1月~2023年1月)
- 【2023年版】ドラッグストア 店舗数ランキング(上位30)
- 【年推移】チェーン別 店舗数(2019~2023年1月時点、上位10)
- 【まとめ】M&A・出店攻勢の大手に対し、中小チェーンは?
●ウエルシア ●ドラッグスギ ●ツルハドラッグ ●クスリのアオキ ●ディスカウントドラッグコスモス ●クリエイトエス・ディー ●ドラッグセイムス ●ドラッグストアマツモトキヨシ ●サンドラッグ ●ココカラファイン
【月別推移】ドラッグストア 店舗数(全体、2022年1月~2023年1月)
↑6.5% 年間通して右肩上がり 3年連続の出店攻勢続く
ドラッグストアチェーン全体の1年間(2022年1月~2023年1月)の店舗数推移をみると、右肩上がりで店舗数が増え続けています。最も多い月(12月)で314店増、少ない月(8月)でも66店増と例外なく前月を上回った結果、1月の前年同月比で6.5%、件数にすると1,534店舗の増加となりました。
2021年版が5.1%増、2022年版で6.6%増、そして今回と、3年連続で店舗数の高い伸び率が続いています。
店舗数の前年同月比増減率
業種 | 2022年1月 | 2023年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
ドラッグストア | 23,559 | 25,093 | +6.5 |
【2023年版】ドラッグストア 店舗数ランキング
30チェーン中 27チェーンで増加 うち3チェーンは「3年連続2ケタ増」
チェーン別店舗数ランキングを1月の前年同月比でみると、30チェーン中 27チェーンで増加しており、減少したのはたった3チェーンのみ。この1年で最も高い伸び率をみせたのはランキング2位「ドラッグスギ」の18.5%増で、15位の「ゲンキー」が11.9%増で続いています。4位「クスリのアオキ」と5位「ディスカウントドラッグコスモス」もそれぞれ11.5%の高い増加率をみせています。
このうち「ドラッグスギ」「クスリのアオキ」「ゲンキー」は、揃って3年連続2ケタ台の伸び率をキープしており、特に出店意欲が旺盛なチェーンであるといえます。
また、6位の「クリエイトエス・ディー」は、2021年版の6.5%増から→8.7%増→9.3%増とジワジワ増加率を上げてきており、今回2023年版で1,000店の大台に乗せています。
一方、1年前と比較して減少したのはランキング下位の「ヤックスドラッグストア」「ドラッグイレブン」「コクミン」ですが、減少率は2~4%台の若干減に止まっています。
チェーン別 店舗数ランキング
順位 | チェーン名 | 2022年1月 | 2023年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
1位 | ウエルシア | 3,328 | 3,533 | +6.2 |
2位 | ドラッグスギ | 1,926 | 2,282 | +18.5 |
3位 | ツルハドラッグ | 1,529 | 1,644 | +7.5 |
4位 | クスリのアオキ | 1,238 | 1,380 | +11.5 |
5位 | ディスカウントドラッグコスモス | 1,205 | 1,344 | +11.5 |
6位 | クリエイトエス・ディー | 926 | 1,012 | +9.3 |
7位 | ドラッグセイムス | 937 | 978 | +4.4 |
8位 | ドラッグストアマツモトキヨシ | 890 | 932 | +4.7 |
9位 | サンドラッグ | 871 | 920 | +5.6 |
10位 | ココカラファイン | 779 | 808 | +3.7 |
11位 | 薬マツモトキヨシ | 768 | 797 | +3.8 |
12位 | Vドラッグ | 533 | 557 | +4.5 |
13位 | キリン堂 | 440 | 473 | +7.5 |
14位 | カワチ薬品 | 438 | 451 | +3.0 |
15位 | ゲンキー | 352 | 394 | +11.9 |
16位 | 薬王堂 | 362 | 385 | +6.4 |
17位 | ドラッグストアモリ | 340 | 361 | +6.2 |
18位 | トモズ | 330 | 348 | +5.5 |
19位 | ハックドラッグ | 286 | 289 | +1.0 |
20位 | ドラッグユタカ | 269 | 280 | +4.1 |
21位 | ウォンツ | 240 | 261 | +8.8 |
22位 | レデイ薬局(くすりのレデイ) | 225 | 239 | +6.2 |
23位 | くすりの福太郎 | 227 | 234 | +3.1 |
24位 | ヤックスドラッグストア | 230 | 225 | -2.2 |
25位 | ザグザグ | 204 | 219 | +7.4 |
26位 | サツドラ | 213 | 217 | +1.9 |
27位 | ドラッグストアセキ | 199 | 212 | +6.5 |
28位 | ドラッグイレブン | 210 | 204 | -2.9 |
29位 | コクミン | 188 | 180 | -4.3 |
30位 | ドラッグぱぱす | 166 | 174 | +4.8 |
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【年推移】チェーン別 店舗数(2019~2023年1月時点、上位10チェーン)
ウエルシア ~関東と静岡県に多い 4年前に比べ36.8%の大幅増~
当社の件数情報から経年でみると、238店増、235店増、273店増、205店増と、毎年200店以上のペースで増え続けています。その結果、4年前と比べ36.8%の大幅増となりました。
運営会社はウエルシアホールディングス(HD)グループの「ウエルシア薬局株式会社」。2000年にジャスコ株式会社(現イオン株式会社)と業務・資本提携を行い、2014年にはウエルシアHDがイオンの連結子会社となって傘下に入っています。
様々な薬局・薬店の子会社化・吸収合併を進めており、2019年以降だけでも「コクミン(大阪府)」や「スーパードラッグひまわり(広島県)」「マルエドラッグ(群馬県)」「よどやドラッグ(高知県)」「金光薬品(岡山県:吸収合併により消滅)」など運営会社9社が、ウエルシアHDの子会社となっています。
当社データから2023年1月時点での都道府県別出店状況をみると、特に多いのが埼玉県(418店)と静岡県(403店)で、ほか東京都(350店)、千葉県(298店)、茨城県(293店)、大阪府(287店)の順となっています。関東と静岡県の比重が高く、中国・四国・九州の県には少なく、北海道は未進出です。
ドラッグスギ ~愛知県中心に展開 4年前比は73%の急増~
187店、218店、202店、356店と毎年増え続け、4年前比で73.0%増と急速に店舗数を伸ばしています。特に2022年1月→2023年1月の「356店増」は飛びぬけて多い数字となっています。
運営会社は、「スギホールディングス株式会社」の子会社「株式会社スギ薬局」。1976年に愛知県西尾市で創業し、2016年から本部機能を同県の大府市に置いています。
スギ薬局グループのM&Aの動きとしては、ディスカウントストア型ドラッグストアの「ジャパン(2005年連結子会社化、2013年吸収合併)」と、北関東でドラッグストアを展開していた「飯塚薬品(2008年子会社化、2011年吸収合併)」を傘下に収めています。また、2023年3月には調剤薬局大手の「さくら薬局グループ」と業務提携することで合意しています。
都道府県別の出店状況(2023年1月時点)では、本拠地の愛知県に約600店が集中しており、次いで大阪府が372店、東京都(292店)、埼玉県(171店)と続いています。関東、中部、近畿、北陸の20都府県に展開しており、それ以外の地域は未進出となっています。
ツルハドラッグ ~地元北海道に500店以上 4年前に比べ28.4%増~
当社の件数情報から経年推移をみると、79店増、71店増、99店増、115店増 と毎年前年を上回り、4年前に比べ28.4%増となりました。
運営会社は「株式会社ツルハ」。1929年に北海道旭川で創業、1991年に現在の社名となり札幌市に移転しました。
ツルハグループを束ねるツルハホールディングス(HD)も、活発なM&Aを繰り返しています。2007年に「くすりの福太郎(千葉県:ランキング23位)」を子会社化し、2015年には「ウォンツ(21位)」「ウェルネス」の運営会社が合併して新会社(広島県)を設立し、グループ入りしています。さらに、2017年に「杏林堂(静岡県)」、2018年「B&Dドラッグストア(愛知県)」、2019年「レデイ薬局(愛媛県)」、2020年「ドラッグイレブン(福岡県)」と矢継ぎ早にグループ傘下に収めています。
ちなみに、ツルハHDは1995年にイオン(当時はジャスコ)と業務・資本提携契約を締結しており、イオンが約13%の筆頭株主となっていますが、グループ会社ではなく、独立独歩を保っています。
都道府県別出店状況(2023年1月時点)をみると、本拠地の北海道が516店と圧倒的に多く、2番目以下は宮城県(190店)、福島県(126店)、山形県(118店)、岩手県(100店)、秋田県(92店)、青森県(80店)の順で、東北6県が勢ぞろいしています。
「ツルハドラッグ」の出店地域は26都道府県で(2023年1月現在)、中部や西日本には未進出の地域が多くみられますが、上記のM&Aで様々な地盤を持つ企業を子会社化することにより「ツルハグループ」の店舗網を全国に着々と広げています。
クスリのアオキ ~食品スーパーを続々傘下へ 4年前比89.0%の驚異的な増加~
同チェーンもまた、125店増、149店増、234店増、142店増と年々店舗が伸びています。4年前に比べ89.0%増の驚異的な伸びを見せ、上位企業の中でも一段と高い増加率を記録しています。
運営会社は、石川県白山市の「株式会社クスリのアオキ」。親会社は「株式会社クスリのアオキホールディングス」です。
同グループは近年、地場食品スーパーの吸収合併や子会社化、事業承継・譲受を活発に進めています。2020年6月から2023年3月(記事作成時点)の2年半余りの間に、ナルックス(石川県白山市)、フクヤ(京都府)、スーパーマルモ(茨城県)、サン・フラワー・マリヤマ(石川県輪島市)、一二三屋(福島県)、三崎ストアー(石川県金沢市)、ホーマス・キリンヤ(岩手県)、サンエー(新潟県)と、立て続けにグループに組み入れています。いずれも数店舗展開の小規模スーパーですが、生鮮三品を含む食品販売と各地域におけるドミナント戦略の強化が狙いのようです。
都道府県別の出店状況では、本拠地の石川県が166店と最も多く、次いで富山県(142店)、3番目が群馬県(125店)で、新潟県(119店)、岐阜県(100店)、福井県(91店)と続きます。やはり地盤の北陸地方が上位を占めていますが、関東への進出も目立ちます。2023年1月時点で、23府県に店舗があります。
ディスカウントドラッグコスモス ~自力出店のみで急成長 4年前比40%増~
4年間の経年推移をみると、76店増、67店増、99店増、115店増と前年を上回り続け、ここ2年は増加幅が拡大しています。その結果、2023年1月は2019年1月に比べ、40%の大幅な増加となっています。
運営会社は「株式会社コスモス薬品(福岡市)」。1973年に宮崎県延岡市で創業し、本格的なドラッグストア店舗を出店して多店舗展開を始めたのは1993年です。
同社の特徴は、M&Aをおこなわず、自力の出店のみで急成長している点です。同社の基本コンセプトは、小さな商圏に可能な限りの大型店をつくる『小商圏型メガドラッグストア』。高度に標準化されたオペレーションで、EDLP(エブリデー・ロープライス)とカウンセリング販売の両立を図っています。
当社の件数情報によると、2023年1月現在37都府県で店舗展開しており、本拠地の福岡県が189店で最も多く、次いで熊本県(103店)、兵庫県(80店)、鹿児島県(78店)、大分県(77店)、の順。九州の県が上位を占めており、全体的に西日本の比重が高くなっています。
クリエイトエス・ディー ~関東と静岡・愛知で展開 4年間で37.7%増~
当社がもつ経年情報を辿ると、65店増、52店増、74店増、86店増と順調に推移し、4年間で37.7%の大幅増となりました。
運営会社は「株式会社クリエイトエス・ディー(横浜市)」で、2009年に持ち株会社(クリエイトSDホールディングス)体制に移行しています。
M&Aの動きはそう多くはないものの、2014年に東京都内で調剤薬局を運営していた「株式会社ニュードラッグ」を吸収合併し、2020年には川崎市で食品スーパーを運営する「百合ヶ丘産業株式会社」を子会社化。食品と調剤の強化を図る戦略を進めているようです。
同チェーンの出店地域(2023年1月時点)は、計8都県に限られており、関東6都県と静岡県、愛知県に店舗展開しています。587店が本拠地の神奈川県に集中しており、次に多いのが東京都(164店)、3番目が静岡県(116店)です。
ドラッグセイムス ~関東地方に多いチェーン 4年間で17.4%増~
32店増、28店増、44店増、41店増と4年間を通して順調に推移しています。その結果、2019年と比べて17.4%増となりました。ほかのドラッグストアの伸びが大きすぎて、2ケタ増にもかかわらず、上位の中で最も小さい増加率となってしまいました。
運営会社は「株式会社富士薬品」。配置薬販売からドラッグストア・調剤薬局、医薬品製造事業まで幅広く手掛ける会社で、ドラッグストア事業の展開を始めたのは1992年です。富士薬品のドラッグストア・調剤薬局事業のグループ会社は、2023年3月の記事作成時点で「オストジャパングループ(北海道)」「協和商事(大阪府)」「九州セイムス(大分県)」「東海セイムス(三重県)」「モリキ(長野県)」「西日本セイムス(愛媛県)」「ユタカファーマシー(岐阜県)」「あみはま薬局(鳥取県)」の8社。2000年代から資本業務提携や子会社化、のちにグループ内の譲渡、承継、合併、統合などが繰り返され、これらの会社に収まった形となっています。
ちなみに、これらグループ会社は「ドラッグセイムス」のチェーン展開もあれば、元々のチェーン名(「ドラッグユタカ」「アメリカンドラッグ」等)で展開している会社もあるため、当社集計の「ドラッグセイムス」店舗数がグループ会社全体の店舗数というわけではありません。
2023年1月現在の都道府県別出店状況をみると、全国38都道府県に「ドラッグセイムス」の店舗があり、最も多いのは埼玉県(309店)で、東京都(200店)、神奈川県(118店)、千葉県(83店)の順で続いています。広域に進出しているものの、関東地方の比重が大きくなっています。
ドラッグストアマツモトキヨシ ~最も広域で展開 4年前比25.9%増~
4年間の経年推移をみると、62店増、37店増、51店増、42店増と毎年増え続け、2023年1月は4年前と比べ、25.9%の順調な伸びとなりました。
「株式会社マツモトキヨシグループ(千葉県松戸市)」が、同グループのドラッグストアと調剤薬局事業を束ね、「株式会社マツモトキヨシ」と「株式会社ぱぱす(エリア:東京都内)」および4つの地域販売会社(東日本、九州、甲信越、中四国)が運営を担っています。同グループも、主に2010年代に様々な地域のドラッグストア運営会社の子会社化やグループ内の承継、合併、統合が進められ、現在はこのような組織編成となっています。
また、2021年10月には「株式会社マツモトキヨシホールディングス」と「株式会社ココカラファイン」が経営統合して「株式会社マツキヨココカラ&カンパニー」となったため、マツモトキヨシグループはその傘下という関係になります。
都道府県別の出店状況では、2023年1月現在41の都道府県に展開しており、本拠地・千葉県の店舗数(175店)がトップとなっています。次いで埼玉県(107店)、長野県(76店)、東京都(65店)、神奈川県(55店)の順で続いています。福井、京都、奈良、和歌山、島根、高知の6府県が未進出の地域です。
サンドラッグ ~ディスカウントストア事業も展開 4年前比18.4%増~
当社の件数情報を元に4年間の推移をみると、2020年は前年に比べて3店とわずかに減少しているものの、その後は56店増、38店増、49店増と順調に店舗数を伸ばしています。その結果4年前に比べ、18.4%増となりました。
運営会社は「株式会社サンドラッグ(東京都府中市)」。1957年に創業し、1965年に会社を設立してチェーン展開を始めています。
同社も2000年代以降、地域フランチャイズ契約を結んだ薬局・薬店チェーンを、のちに子会社化したり吸収合併するなどして傘下に収める再編・統合を多く手掛けています。また、2009年には「ダイレックス株式会社(佐賀市)」を子会社化し、ディスカウントストア事業も展開しています。
当社の件数情報から都道府県別出店状況(2023年1月時点)をみると、38都道府県に出店しており、東京都(213店)が2番手の神奈川県(82店)に大差をつけてトップとなっています。次いで愛知県(78店)、大阪府(72店)、埼玉県(71店)と続きます。また、ツルハドラッグ以外では、北海道への出店(64店)が最も多いチェーンです。
ココカラファイン ~東京と大阪に多め 4年前に比べ25.7%増~
当社のデータから経年変化の状況をみると、51店増、42店増、43店増、29店増といずれも前年を上回り、4年間で25.7%増となっています。
ドラッグストア・調剤事業の運営会社は「株式会社ココカラファイン ヘルスケア(横浜市)」。同社を含めグループ企業5社を「株式会社ココカラファイングループ」が管理しています。そしてマツモトキヨシグループと同様に、「株式会社マツキヨココカラ&カンパニー」発足後はその傘下に入る形となっています。
ココカラファインでも、子会社化や合併・経営統合、グループ内再編が盛んにおこなわれて現在に至っており、2013年には「セイジョー」「segami(セガミ)」「ジップドラッグ」「LIFORT(ライフォート)」のブランド(※)でチェーン展開していた運営会社が「ココカラファイン」として合流しています。
都道府県別出店状況(2023年1月現在)をみると、全国37都道府県に展開しており、東京都(172店)と大阪府(135店)が特に多く、愛知県(61店)、兵庫県(56店)、新潟県(42店)と続いています。本社のある神奈川県(33店)は意外に少ない印象です。
※2023年1月現在も、これらブランド名で店舗展開されています(セイジョー:85店、ドラッグセガミ:75店、ジップドラッグ:54店、ライフォート:54店)。
【まとめ】M&A・出店攻勢の大手に対し、中小チェーンは?
上位10チェーンの4年間(2019~2023年)の増加率は、最高で89%増、最低でも17.4%増、平均すると39.2%増と、ほかの業界では見られなかった高い数字のオンパレードとなっています。
ここ1年(2023年1月と2022年1月の比較)でもランキング30チェーン中、27のチェーンで増加しており、コロナ禍以前~コロナ禍中~Withコロナの現在まで、ドラッグストア業界の出店は衰えをみせない勢いです。
一方、上記年推移でチェーン毎のM&Aの動きの概略をまとめたように、ドラッグストア業界では大手チェーンのほとんどが「資本業務提携、子会社化、吸収合併、グループ内の譲渡・承継・合併・統合」を繰り返しおこなってきています。
特に近年は提携・フランチャイジーといった緩めの繋がりから完全子会社化や吸収合併によってグループの傘下に組み入れる動きが目立っており、大手チェーンのドミナント戦略が、未進出または店舗が少ない地域の中小チェーンを取り込んでいく手法で拡大している状況が窺えます。
こうした背景もあってか、大小すべてのチェーンで店舗数が増加しているわけではなく、ランク外チェーン計74(10店舗以上を展開する31位以降のチェーン)のうち、約64%は前年同月より減っているかプラスマイナスゼロの現状維持となっています(2023年1月と2022年1月の比較)。これら74チェーンの中には、すでに大手の子会社となっているチェーンが多数含まれており、店舗数が増えているところもあれば、ブランドの統合等の要因により減少しているところもあります。
「大手の傘下に入ってこれまでとは別の形で成長を目指す」か「事業多角化等で独自の成長を目指す」のか。今後も多くの中小チェーンが、そんな選択を迫られる場面が続きそうです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。