【2023年版】寿司チェーンの店舗数ランキング

2023年9月25日 | 業界・地域分析

寿司チェーン店

外食産業の中でも高い人気を誇る、寿司チェーン業界。最近の店舗数はどのように動いているのでしょうか。
今回は、当社のチェーン店データを元に、寿司チェーンの1年間(2022年7月~2023年7月)の店舗数推移やチェーン別ランキング、前年同月比増減状況などを集計しました。また、どのチェーンがどの地域に多く展開しているか、都道府県別の分布状況も探ってみました。


データの集計方法について


  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2023年7月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2023年7月と2022年7月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。

【月別推移】寿司チェーン店舗数
(チェーン全体、2022年7月~2023年7月)

↓1.1% 2022年11月までは増加基調、12月以降は減少基調で推移


寿司チェーン全体の店舗数推移(2022年7月~2023年7月)をみると、前月より増加した月と減少した月の数がちょうど半々となっています。しかし、増加数(42店)より減少数(88店)の方が多いため、2023年7月と2022年7月を比較した前年比では 1.1%の若干減となりました。1年間の動きをみると、2022年11月までは増加基調であったものの、12月以降は減少基調となっています。
2022版(2021年7月~2022年7月)では、業界全体としては高い増加率(3.9%増)を示していただけに、2023年版の結果には国内出店事情の変化が感じられます。


寿司チェーン店舗数 月推移

店舗数の増減率(前年同月比)

業種 2022年7月 2023年7月 増減率(%)
寿司チェーン 4,270 4,224 -1.1

【2023年版】寿司チェーン 店舗数ランキング

「魚べい」が高い増加率を維持 「スシロー」は若干減へ


チェーン別店舗数ランキングを7月の前年同月比でみると、30チェーンのうち 増加したチェーンが 11、プラスマイナスゼロが 4、減少チェーンが 15となっています。

最も大きく増加したのはランキング 7位の「魚べい(8.2%増)」で、2022年版とほぼ同率の増加率となりました。ランキング 2・3位の「はま寿司(3.9%増)」「くら寿司(4.8%増)」も2022年版に引き続き、順調に店舗数を伸ばしています。

ランキング1位の「スシロー」は2022年版では9.4%増と高い伸び率を示していたものの、今回は1.7%の若干減に転じました。5位の「丼丸」も 2022年版の5.1%増から一転、9.2%減となっています。「かっぱ寿司(5.2%減)」と「小僧寿し(9.4%減)」は 2年連続の減少で、2023年版では減少幅がさらに広がっています。

ちなみに、今回減少に転じた「スシロー」店舗数の1年の動きを追ってみると、2022年11月から12月にかけて 34店が一気に減少しています。全体としては横ばいまたは前月を少し上回って推移していたものの、この月の減少が大きく響いたようです。


チェーン別店舗数ランキング(上位30チェーン)

順位 チェーン名 2022年7月 2023年7月 増減率(%) 主な形態(※)
1位 スシロー 651 640 -1.7 回転寿司
2位 はま寿司 559 581 +3.9 回転寿司
3位 くら寿司 517 542 +4.8 回転寿司
4位 銀のさら 376 383 +1.9 宅配寿司
5位 丼丸 413 375 -9.2 海鮮丼持ち帰り
6位 かっぱ寿司 308 292 -5.2 回転寿司
7位 魚べい 159 172 +8.2 回転寿司
8位 ちよだ鮨 164 167 +1.8 持ち帰り寿司
9位 小僧寿し 171 155 -9.4 持ち帰り寿司
10位 すし銚子丸 88 86 -2.3 回転寿司
11位 回転寿司みさき 83 79 -4.8 回転寿司
12位 がってん寿司 64 68 +6.3 回転寿司
13位 活魚廻転寿司 にぎり長次郎 60 61 +1.7 回転寿司
14位 すしざんまい 60 57 -5.0 対面・回転寿司
15位 にぎりの徳兵衛 43 43 0 回転寿司
16位 魚がし鮨 40 38 -5.0 流れ鮨
17位 平禄寿司 41 36 -12.2 回転寿司
18位 大起水産回転寿司 31 30 -3.2 回転寿司
19位 うまい鮨勘 28 29 +3.6 対面・回転寿司
20位 魚魚丸 26 27 +3.8 回転寿司
21位 寿しまどか 26 26 0 回転寿司
21位 回転寿司すし丸 25 26 +4.0 回転寿司
23位 元祖寿司 25 25 0 回転寿司
24位 魚屋路 24 22 -8.3 回転寿司
25位 函太郎 23 21 -8.7 回転寿司
25位 ばらずし 23 21 -8.7 持ち帰り寿司
27位 すし三崎港 23 18 -21.7 持ち帰り寿司
27位 回転寿司 なごやか亭 18 18 0 回転寿司
27位 金沢まいもん寿司 17 18 +5.9 対面・回転寿司
30位 寿司 海都 19 17 -10.5 回転寿司

※各チェーンのホームページ上の情報を元に当社で判断し、記載しています。回転寿司の中には、コロナ禍などの理由によりタッチパネルでの注文等に変更したチェーンもあります。


◎参考情報:

上位チェーンの2022年以前の店舗数 経年推移(2018~2022年、7月時点)が【2022年版】【年推移】チェーン別 店舗数 で確認できます。

ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


【地域分布】各チェーンの都道府県別出店状況(上位10チェーン、2023年7月時点)

スシロー ~人口が多い地域に多く分布~

当社データから都道府県別の出店状況をみると、47都道府県すべてに店舗があり、最も多いのは東京都の60店で、本拠地・大阪府(57店)が僅差で続いています。次いで 神奈川・愛知(各49店)、千葉(41店)、埼玉(34店)と、人口が多い大都市圏が続いています。 一方、店舗数が少ないのは、島根(1店)、岩手・秋田・山形・鳥取(各3店)など。人口が少ない県と東北地方の県が目立ちます。

運営会社は「株式会社あきんどスシロー(大阪府吹田市)」。2015年に持株会社体制に移行し、設立されたホールディングスは2021年に現社名(株式会社FOOD & LIFE COMPANIES)となっています。
同社の2023年9月期 第3四半期決算短信(連結)によると、期間中(2022年10月1日~2023年6月30日)の国内スシロー事業 売上収益は前年同期比10.8%減、セグメント利益は前年同期比76.4%減の厳しい結果となっています。ただ、月次情報をみると 7・8月(2023年)の既存店売上高は前年同月を上回っており、回復の兆しも見えています。

スシローの海外店舗は、2023年9月期 第3四半期末時点で計118店(台湾、中国、香港、タイ、韓国、シンガポール)。同期における海外スシロー事業 売上収益は、前年同期比84.9%増、セグメント利益441.0%増。国内とは対照的な大幅増収増益となり、グループ全体の業績に貢献しています。


はま寿司 ~首都圏に多く分布 中国・四国・九州は少なめ~

都道府県別の分布状況をみると すべての都道府県に店舗があり、最も多いのは神奈川県(50店)で、2番目が東京都(44店)。以降、埼玉(41店)、千葉(37店)、愛知(36店)、茨城(26店)、と続きます。人口が多い大都市圏に多く分布しており、中でも首都圏の比重がやや高くなっています。
一方、大分・佐賀・高知・鳥取(各2店)、島根(3店)など、中国・四国・九州地方で少なめの県が目立っています。

運営会社は「ゼンショーホールディングス(東京都港区)」。同社の2023年3月期 決算短信(連結)によると、はま寿司 が属する「ファストフードカテゴリー※」は、前年同期比27.8%と大きく増加しています。2024年3月期 第1四半期(2023年4月1日~6月30日)でも 前年同期比24.5%増と高い伸び率を維持しています。

※はま寿司のほか、久兵衛屋、The Chicken Rice Shop 等が含まれています。


ちなみに、ゼンショーHDでは2024年3月期 第1四半期から決算報告セグメントを変更しており、新しい区分では「グローバルはま寿司」として国内・海外合わせた業績が報告されています。これによると売上高は前年同期比16.4%増と好調であるものの、 水産物の原材料価格高騰により、営業利益は1.2%とやや減少しています。

はま寿司の海外展開は、2024年3月期 第1四半期末時点で40店舗(中国、台湾、香港)となっています。


くら寿司 ~最も多いのは本拠地の「大阪府」、2番目が「東京都」~

都道府県別出店状況をみると、すべての都道府県で展開しており、最も店舗が多いのは本拠地の大阪府(75店)で、2番目が東京都(59店)、神奈川(47店)、愛知(40店)、兵庫(31店)、埼玉(27店)の順。
一方、少ないのは 福島(1店)、高知・徳島・島根(各2店)、長崎・鳥取・山梨・福井・栃木・秋田・岩手(各3店)といったところです。

運営会社は「くら寿司株式会社(本部:大阪府堺市)」。同社の2023年10月期 第3四半期(2022年11月1日~2023年7月31日)決算短信(連結)によると、国内の売上高は前年同期比8.4%増で、同期間における売上高としては過去最高を記録しました。しかし、時短協力金がなくなったことや、原料価格・光熱費が想定以上に上昇したことにより、経常利益はマイナスとなりました。

同社は、北米47店舗、台湾に51店舗(※)を展開しており、2023年6月には中国大陸(上海)に初出店を果たしています。「2030年に 海外400 店舗、海外売上高1500億円達成」の目標に掲げ、さらに展開を加速させていく方針です。


※2023年6月15日時点での、同社ニュースリリース発表の店舗数です。


銀のさら ~「東京都」「神奈川県」の比重が高め~

41都道府県で展開しており、東京都(77店)で最も店舗数が多く、神奈川(45店)、愛知(31店)、大阪(30店)、埼玉・千葉 (各26店)と続きます。東京・神奈川の店舗数が、全体の3割強を占めています。
首都圏と人口が多い都市圏に多く分布しているものの、12番目以降はひとケタの店舗数となっています。また、1店舗のみの県が 9県(佐賀・高知・徳島・滋賀・石川・富山・山形・秋田・青森)にのぼり、岩手・福井・和歌山・鳥取・島根・宮崎県 には店舗がありません。

運営会社は「株式会社ライドオンエクスプレス(東京都港区)」。親会社の「株式会社ライドオンエクスプレスホールディングス(HD)」がグループを統括しています。同HDの2023年3月期 決算短信(連結)によると、売上高が前年同期比 1.4%の若干減となり、営業利益(35.6%減)、経常利益(45.0%減)、当期純利益(56.2%減)と、利益は揃って大幅減となっています。

同社では2022年9月、宅配寿司「銀のさら」初となる海外店舗を タイ王国バンコクに出店(FC店)しています。


丼丸 ~「東京都」に全体の27%が分布~

当社のデータから都道府県別の出店状況をみると、40都道府県と広域に展開しています。東京都(102店)が最も多く、全体の27%が集中しています。次いで神奈川県(33店)、千葉(27店)、愛知(20店)、埼玉・大阪・兵庫(各19店)と続きます。
一方、1~2店の出店に止まっている県が中国地方以西を中心に 15あり、未出店地域は 富山・福井・奈良・和歌山・鳥取・徳島・愛媛 の 7県です。

運営会社は「株式会社ササフネ」。「丼丸」はお持ち帰りの海鮮丼専門店ですが、ホームページで「寿司屋が始めた海の丼」のキャッチフレーズを掲げており、当社(日本ソフト販売)では寿司チェーンに分類しています。
同チェーンは一般のFCと異なる「のれん加盟」が特徴のビジネスモデルで、各オーナーは一切の制約がない完全独立した営業をおこなっています。そのためか売上高等の公開資料はなく、経営状況の詳細はわかりません。


かっぱ寿司 ~最も店舗が多いのは「長野県」~

「かっぱ寿司」の店舗数が多いのは、長野(22店)、埼玉(19店)、愛知・大阪(各17店)、静岡(15店)の順。なにより 長野県に最も多く分布しているのが特徴的です。
33の都府県に展開していおり、店舗がない地域は、北陸3県、四国4県、九州4県、北海道、島根、沖縄、です。

運営会社は「カッパ・クリエイト株式会社(横浜市)」。2014年に「牛角」などを手掛ける株式会社コロワイドの連結子会社となり、グループ入りしています。
カッパ・クリエイトの2023年3月期 決算短信(連結)によると、回転寿司事業の売上高は前期比 6.4%増と増加しており、4~8月の月次情報をみても売上高・客数・客単価ともに前年を上回って推移しています。営業損失・経常損失と利益面では厳しい状況が続いているものの、外食需要の着実な回復が反映された結果となっています。

かっぱ寿司の海外店舗は、2023年3月末現在で東アジアに6店舗、ASEANに1店舗が展開されています(コロワイド社IR情報:COLOWIDE Vision 2030 新中期経営計画より)。


魚べい ~最も店舗が多いのは「北海道」~

当社データから都道府県別の出店状況をみると、19都道府県に展開しており、最も店舗が多いのは北海道(22店)。2番目に多いのは本拠地・栃木と隣県・埼玉で各17店を展開しています。次いで茨城・新潟(各13店)、東京・兵庫(各12店)と続きます。関東地方の比重が高く、それ以外では北海道・兵庫・大阪・福岡・愛知、といった地方の核となる道府県に主に展開しています。静岡・京都は、それぞれまだ 1店のみの出店に止まっています。
一方、未出店の地域をまとめると、東北 4県、北陸 3県、中部 2県、近畿 3県、中国 5県、四国 4県、九州 6県、沖縄、となります。

運営会社は「元気寿司株式会社(宇都宮市)」。「魚べい」「元気寿司」「千両」の3ブランドを展開しています。同社の2023年3月期 決算短信(連結)によると、国内事業の売上高は前期比21.0%と大幅に増加しています。とはいえ、利益面ではコスト上昇の影響を強く受けて「損失」となり、セグメント利益が大幅増(前年同期比56.3%増)の海外事業とは対照的な結果となりました。
一方、2024年3月期 第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)では、売上高が前年同期比18.8%増、利益面では 456.5%増と好転しています。

同社は、業界に先駆けて1993年 ハワイに直営店をオープン。以来、アジア地域へのFC展開を拡大してきました。海外の総店舗数は234店舗(2023年8月現在)と、国内の店舗数を上回っています。海外展開の主なブランドは「元気寿司」で、「魚べい」は国内におけるメインブランドとなっています。


ちよだ鮨 ~「本格江戸前すし」だけに「東京都」が突出~

都道府県別の出店状況をみると、6都県(関東5県、東北1県)と限定された地域に展開しています。最も多いのは東京都(100店)で、2番目の神奈川(38店)に大差をつけて突出しています。次いで埼玉(15店)、千葉(12店)。茨城・宮城は各1店のみの出店となっています。

運営会社は「株式会社ちよだ鮨 」。「ちよだ鮨」は持ち帰りすし店のブランドですが、そのほかグルメ回転すし、立ち食いすし、立ち食いそばのブランドを展開しています。

同社の海外展開は比較的早く、2000年にニューヨークで第1号店を開店しています。また、近年ではベトナムに進出しています。


小僧寿し ~「高知」が2番目に多く、四国全県で複数店舗あり~

当社データから都道府県別の出店状況をみると、22の都道県に店舗があり、最も多いのは埼玉県(23店)。2番目が神奈川・高知(各15店)、千葉(13店)、山梨(12店)と続きます。どちらかというと店舗数が少ない地域であることが多い高知県が、2番目にきている点が目立っています。
一方、店舗ゼロの25都道府県を地域ブロックに分けてみると、九州・沖縄(7県)、東北(5県)、近畿(5県)、北陸(3県)、中国(3県)、中部(2県)。愛知・大阪・福岡 の大都市圏でも店舗がありません。このように店舗がない地域が多いなか、四国には 高知をはじめ、徳島(10店)や香川(7店)、愛媛(2店)と、すべてに複数店舗存在する点が意外に感じられます。

運営会社は「株式会社小僧寿し(東京都中央区)」。同社の2023年12月期 第2四半期(2023年1月1日~2023年6月30日)決算短信(連結)によると、「小僧寿し」が属する小売事業(※)の売上高は、前年同期比で4.6%減少しています。減少要因として「直営店舗数の減少」を挙げており、「既存店の売上高は前期に比べて増加している」と説明しています。

※「持ち帰り寿し店 小僧寿し」「茶月」の直営店舗、「だいまるスーパー(1店舗)」で構成されています。


同社では2003年にKOZO SUSHI AMERICA,INC. (日本名:株式会社米国小僧寿し)を設立し米国ハワイに進出しています。また、2023年5月には合弁会社による海外事業展開(フランス・パリへの餃子専門店出店)を発表しています。


すし銚子丸 ~「南関東 1都 3県」がエリア~

「すし銚子丸」の展開エリアは、千葉・東京・埼玉・神奈川の「南関東 1都 3県」に限られています。最も店舗数が多いのは、東京・千葉の各35店で、埼玉が 11店、神奈川 5店と続いています。

運営会社は「株式会社銚子丸(千葉市)」。「すし銚子丸」のほか、「すし銚子丸 雅」「すし銚子丸 テイクアウト専門店」「出張回転寿司・出張寿司」「江戸前すし 百萬石」を展開しています。

同社の2023年5月期(2022年5月16日~2023年5月15日)決算短信(非連結)によると、イートイン客数の回復により、売上高は前期比13.4%と大幅増加。原材料価格・物流費上昇等の経費増加要因が 売上高の順調な回復でカバーされたことにより、営業利益も194.1%と大きく増加しています。
一方、自治体からの新型コロナ感染拡大防止協力金を営業外収益として計上したこと等により 経常利益はマイナス、採算が悪化した店舗に係る減損損失を計上したこと等により 当期純利益もマイナスとなりました。


【まとめ】国内店舗数にブレーキ、大手の海外出店は拡大

「回転寿司」は 売上高回復が続くも・・・


店舗数ランキングの多数を占める「回転寿司」は、2020年こそコロナ禍の影響を受けて売上高が前年実績を下回るチェーンが目立ったものの、2021年には早くも回復傾向となり、2023年は イートイン需要の本格的な回復により、売上高・客数・客単価ともに全般としては上昇基調にあります。
とはいえ、2023年版の国内店舗数は減少チェーンが多く、増加チェーンの増加率には勢いの衰えが感じられます。コロナ禍にあっても比較的「好調な分野」とみられてきた回転寿司も、ここへきて店舗数増加にブレーキがかかった形となっています。

一方「持ち帰り寿司」は、デリバリーの強みを活かしてコロナ禍の需要はおおむね順調に推移していたものの、イートインが回復したためか 2023年版では店舗数の前年同月比減少が目立ち、持ち帰り大手の売上高も減少傾向にあります。


大手 新規出店の主戦場は、国内から海外へ?


「【地域分布】各チェーンの都道府県別出店状況」の項で触れたように、「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」の大手3チェーンと「元気寿司」は、すでに海外で多数の店舗を展開しており、売上高はいずれも2ケタ台の大きな伸びをみせています。こうした海外事業の好調を受けて、こと新規出店に関しては、飽和市場となりつつある国内から海外へシフトする動きが加速しているようにみえます。


「回転寿司」業態を中心に人気を誇ってきた寿司チェーンですが、ここ数年「おとり広告」問題や不正競争防止法違反容疑による社長逮捕といった不祥事、客による「迷惑行為」の頻発など、ネガティブな要素もありました。
「迷惑行為」への対応としてチェーン側の負担も増えており、回転レーンの提供を停止してタッチパネルを使用した注文方法に変更したり、不審な行為をAIカメラで検知するシステムを導入したりと、ビジネスモデルの根幹にかかわる変化を余儀なくされています。

こうした騒動の影響が落ち着いた先 国内の新規出店はまた力強く動き始めるのか、それとも人口減・市場飽和を背景に先細りの道を歩むのか、今後の動向が注目されます。


本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


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