マーケティングオートメーション(MA)の成功に、データ連携が不可欠な理由

2021年4月1日 | マーケティング

マーケティングオートメーションとデータ連携

「優れた製品と強力な営業部隊で目標達成に邁進すれば、モノやサービスは売れる」。 そんな時代が終焉してしまったという実感が、ここ10年来ジワジワとビジネスの世界に広がっています。

このような状況を打開するデジタルツールとして、2015年前後から国内でマーケティングオートメーション(以下MA)が普及を始めました。しかし、事前に思い描いた成果が上がらず、うまくいっていないケースも多いのが実情です。
本稿ではMA運用以前の問題である「データ整備」「データマネジメント」の視点から、MAによるマーケティングを成功に導くための前提条件について考えます。



MAによるマーケティングの目的は「パーソナライズドマーケティング」

様々なマーケティングツールがある中、そもそもMAのマーケティングではどのような手法による、どのような成果を目指しているのでしょうか。

その答えを簡潔にまとめると「一人ひとりの行動を捉えた緻密なターゲティングに基づくコミュニケーションを通じて、見込み客を有望見込み客に育てること(リードナーチャリング)」「確度の高い営業アプローチ案件を創出し、購入または契約につなげること」です。 既存顧客の場合は「一人のお客様にいかに繰り返し利用してもらうか」、いわゆるライフタイムバリューの最大化が目的となります。

具体的には、まず多様なチャネル(Webページの閲覧、フォームからのお問い合わせ、メールマガジンのクリック、キャンペーンの申し込み、ホワイトペーパーのダウンロード、SNSでのやりとりなど)を通じて、見込み客を獲得します。そしてその見込み客の関心の度合いを点数化(スコアリング)したり、属性やWebでの行動履歴などに応じたコンテンツの発信とオススメの提案、セグメントした顧客リストにメール配信する、などのマーケティング施策を実行していきます。

このプロセスを効率的に進め、一部を自動化するためのツールがMAです。様々なベンダーが提供するMA毎に得意分野は異なるものの、「個別の顧客に対しパーソナライズされたマーケティング施策を働きかけていく」という点では共通しています。

MAで成果を得るためにデータ連携(統合)が不可欠な理由

ところが、MA単体だけ運用しても、上記のMAによるマーケティングの目的を達成するのはなかなか難しいのが現実です。

結論からいえば、その壁を取り除くカギは「データ連携(統合)」です。

MA導入以前に、企業内では顧客管理(CRM等)や営業支援(SFA)、販売管理などのいずれかまたは複数のシステムが稼働しているのが一般的です。MAを含め、これらに散在するデータを統合・一元化するプラットフォーム、または常に自動で連携される仕組みを作らないと、十分かつ有効なパーソナライズドマーケティングを実施することはできません。
なぜなら、MAのデータからマーケティングをおこなうには、まず最初に既存のお客様かどうかを判別したいのに、既存顧客の属性や購入履歴等は基本的にMA以外のシステムで管理されています。また、BtoBの場合は特に、社内の営業担当者が動いているか、過去のセミナーへの参加はあるか、などオフラインの接点も同時にみる必要があります。

MAに蓄積される情報は、Webサイトの資料ダウンロードやお問い合わせフォームで入力された個人情報、メール配信に対し誰がどういう行動をしたかという情報、Webサイトのどこをどのくらい見ているか、など。名称・住所等個人情報の入力は回避されたり省略されることも多く、メルマガのクリックもいつでも十分なデータが得られるとは限りません。このように人と紐付いている情報が少ない状態では、データで一人ひとりのお客様を測ることができず、アプローチの優先順位を付けることも難しくなります。

MAはWeb訪問客(見込み客)の集客に強いマーケティングツールです。しかし、MAによるマーケティングが成功するためには、現実的には見込み客を含む十分な量の顧客データが必要です。MAのマーケティング対象を既存顧客にまで広げることも、データ連携(統合)があればこそ実現するのです。

データ連携(統合)の前に必ず実施すべきデータ整備

データ整備

さて、データ連携(統合)の際には、事前に必ずやっておくべきことがあります。それは、マーケティングの元となるデータを「正確かつ新鮮な状態に整備する」ことです。

たとえば「MAを新規導入するに当たり、すでに社内にあるCRMとSFAとのシステム連携を図る」と仮定します。今後MAを運用していくとなると、これらシステム間でのユーザー(顧客データ)のマッチング精度を上げなければなりません。

もし連携前のCRMやSFAに同じデータが複数存在したり、表記がバラバラだったりすると、いざ連携してMAを中心にマーケティングを展開する際、いろいろなチャネルから入ってくる同一ユーザーの行動やステータスを1人のものと判断することができません。
すると「正しいスコアリングができない」「細かいセグメンテーション(リスト分け)ができない」「ユーザーの行動に合わせたメール配信の自動化がうまくできない」などの問題が生じる可能性が高くなります。
それではMAのせっかくの機能を活かし切れず、「マーケティングの効率化」というデジタル導入の意味も薄れてしまいかねません。

このような事態を回避するためには、まずCRMやSFAにある顧客データの名称や住所等を連携前にデータクレンジングし、最新の正しい表記への修正や表記の統一化などを図ります。同時に名寄せを実施し、重複データを解消することが重要です。

データマネジメントはデータを活用したマーケティング共通の前提条件

ただし、「連携前のデータ整備をバッチリ済ませておけば、後は永遠に大丈夫」というわけではありません。MAや連携したシステムには日々新しい情報が格納され、データの「汚れ」は繰り返し発生していきます。

データクレンジング・名寄せの実施を「データ整備」と規定すると、それ以上に重要なのはデータ整備によってきれいになったデータの品質を継続的に保持し、さらに高めていく活動「データマネジメント」です。

MAに限らず、データを活用したマーケティング成功のカギは常に整備されたデータをもとに実践することです。データマネジメントは、ビッグデータやAIの活用も含め、現代のデジタルマーケティング共通の前提条件といえます。



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