【2025年版】ラーメンチェーンの店舗数ランキング
2025年6月17日 | 業界・地域分析
日本人の国民食の一つといわれ、近年はその海外事情にも注目が集まるラーメン業界。
昨今の国内店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
2025年版(2024年4月~2025年4月)では、当社のチェーン店データを元に、チェーン別店舗数ランキングや前年同月比の増減状況を、過去記事(2024年版、2023年版※、2022年版※)との比較も交えて振り返ります。また、対前年比増加率が高いチェーンをピックアップし、それぞれの特徴などを比較してみました。
※2022・2023年版は、7月時点のデータ
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2025年4月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2025年4月と2024年4月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。
【2025年版】ラーメンチェーン 店舗数ランキング(1~15位)
チェーン別店舗数ランキングを4月の前年同月比でみると、8チェーンで増加し、7チェーンが減少と、増・減 がほぼ拮抗しています。
増加率が大きいのは、ランキング11・13・14位
最も増加率が大きいのはランキング13位の「町田商店(22.1%・30店舗増)」で、次いで14位の「魁力屋(13.2%・18店舗増)」、11位「田所商店(11.4%・19店舗増)」の順。この3チェーンは 2022・2023・2024年版、今回(2025年版)と一貫して増加しており、特に「町田商店」は3年連続で2ケタ台の増加率となっています。
上位3チェーンの 2022~2025年の店舗数の動きをみると、「餃子の王将」は横ばいもしくは微減、「リンガーハット」は少しずつながら年々減少、「日高屋」は 0.7~4.0%の増加率で前年を上回って推移しています。
また、ランキング内で大幅に減少しているチェーンはなく、「天下一品」の 4.1%減(9店舗減)が最も高い減少率となっており、「幸楽苑」が 3.6%減(13店舗減)でこれに続いています。この2チェーンは、2022~2025年にかけて徐々に減少傾向を辿っています。
ランキング順位でみると、上位7チェーンは 2024年版と全く変わりがありません。対照的に 8~15位は変化が激しく、「丸源ラーメン」が「天下一品」と入れ替わって8位に上がり、「山岡家」「田所商店」が 1ランクずつアップ、「町田商店」が 2ランクアップして 13位に浮上しています。
【表-1】チェーン別 店舗数ランキング
| 順位 | チェーン名 | 2024年4月 | 2025年4月 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 餃子の王将 | 730 | 722 | -1.1 |
| 2位 | リンガーハット | 561 | 552 | -1.6 |
| 3位 | 日高屋 | 421 | 424 | +0.7 |
| 4位 | 幸楽苑 | 364 | 351 | -3.6 |
| 5位 | 大阪王将 | 331 | 343 | +3.6 |
| 6位 | Sugakiya | 256 | 258 | +0.8 |
| 7位 | 来来亭 | 249 | 246 | -1.2 |
| 8位 | 丸源ラーメン | 205 | 221 | +7.8 |
| 9位 | 天下一品 | 218 | 209 | -4.1 |
| 10位 | 山岡家 | 181 | 189 | +4.4 |
| 11位 | 田所商店 | 166 | 185 | +11.4 |
| 12位 | らあめん花月嵐 | 187 | 184 | -1.6 |
| 13位 | 町田商店 | 136 | 166 | +22.1 |
| 14位 | 魁力屋 | 136 | 154 | +13.2 |
| 15位 | くるまやラーメン | 142 | 140 | -1.4 |
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【増加率】ランキング外で目立つ、1年で大きく増えたチェーン
店舗数ランキングの上位チェーンは 増減の動きが比較的小さく、上記ランキングの11~15位や ランキング外のチェーンで、増加率の高いチェーンが多くみられました。
そこで、ランキング外(16位以降)で、増加率が目立ったチェーンをいくつかピックアップしみました。
【表-2】増加率が高いラーメンチェーン(2025年4月の対前年比)
| チェーン名 | 増加率(%) (カッコ内は増加数) |
特徴 等(※) | 運営会社 (法人格 略) |
|---|---|---|---|
| 豚山 | 24.2(8) | 甘ジョッパ微乳化スープ、ちょいクタ野菜、トロトロ神豚、オーション(強力粉)ワシワシ麺 | ギフトホールディングス |
| 神座 | 20.0(17) | スープ・ソムリエ制度 黄金色のスープ、秘伝のタレ、中太ストレートのたまご麺 |
どうとんぼり神座 |
| 三田製麺所 | 19.5(8) | 時間をかけて炊き上げた濃厚豚骨魚介スープ、香りとコシにこだわった特製極太麺 | エムピーキッチンホールディングス |
| ずんどう屋 | 19.3(17) | 姫路発祥 濃厚豚骨スープ、多加水でコシの強い細ストレート麺 | ZUND(トリドールグループ) |
| 東京油組総本店 | 17.7(11) | 油そば、秘伝のタレ、モチモチの自家製麺 | タコプラダイニング(タコプラグループ) |
| まこと屋 | 16.0(12) | 牛骨醤油、鶏ガラ醤油、低加水の細ストレート麺、三段熟成多加水玉子麺 | マコトフードサービス |
| 一風堂 | 14.0(16) | 豚骨ラーメン | 力の源ホールディングス |
※各チェーン ホームページ上の情報を参考に記載しています。
【まとめ】ラーメン店の M&A が増加傾向か
M&A をテコに、ラーメン事業へ進出・強化
ラーメン業界で最近(2025年5月)話題となったのが、牛丼の「吉野家ホールディングス(HD)」が中期経営計画(2025~2029年度)を発表し、ラーメン事業強化の姿勢をより鮮明打ち出したことです。2029年度に売上高400億円、店舗数・計500店を目標とし、ラーメン事業の売上高比率を13%に引き上げる計画で、海外展開も視野に入れています。
吉野家HDでは、すでに数年前からラーメンを牛丼・うどんに次ぐ第3の柱と位置づけ強化を進めており、「せたが屋(ブランド:せたが屋)」「ウィズリンク(ブランド:ばり馬)」「宝産業(麺・スープ製造)」「キラメキノ未来(ブランド:キラミキノトリ)」など、着々とM&Aを進めていました。
飲食の異業種大手では、カレー専門店で有名な「壱番屋」も、2023年に「竹井(ブランド:麺屋たけ井)」を、2025年1月には「KOZOU(ブランド:極濃豚骨らーめん小僧など)」を子会社化してラーメン事業に進出しています。
「磯丸水産」などを運営する「クリエイト・レストランツHD」も北海道発「えびそば一幻」や つけ麺店「狼煙」の運営会社を2024・2025年と相次いで買収しています。
また、焼肉の「あみやき亭」も「クーデションカンパニー(ブランド:京都ラーメンたかばし)」を子会社化(2025年6月)することにより、ラーメン業態への進出を果たしています。
飲食業以外からの参入も
また、飲食業以外からのラーメン事業参入の例もみられます。
人材サービスの「フルキャストHD」は2023年、「らあめん花月嵐(当社ランキング12位)」を展開する「グロービート」を完全子会社化。カラオケ事業が主力の「鉄人化HD」も2020年に「フククルフーズ(ブランド:麺処直久など)」からラーメン事業を譲受しました。
さらに 2024年には、ミシュランガイド掲載のラーメン店「ソラノイロ」が、「OICグループ(スーパーマーケット・ロピアを運営)」と株式譲渡契約を締結して 同グループの一員となっています。
同業者間の M&A も活発化
もちろん、ラーメン店(運営会社)同士のM&Aも活発化しています。2025年に入ってからの例をあげると、「一風堂」を展開する「力の源HD」は、2025年4月に「ライズ(ブランド:楓、奏)」を子会社化し、新たに「味噌ラーメン」を同社ブランドに加えています。「JBイレブン(ブランド:一刻魁堂)」も、2025年4月「フジヤマ55」を運営する「55style」を子会社化しています。
さらに、魁力屋(当社ランキング14位)の運営会社では、2025年6月「グランキュイジーヌ(ブランド:肉そばけいすけ等)」の買収を発表、「優良な独立ブランドをグループに加える第一弾」と位置づけています。
このほかにも、中期経営計画の中で、出店力強化の取り組みとして M&A を重点施策の一つとして位置付けたり、M&A や海外進出に関する情報収集を重視する企業がみられます。
数店でも戦略的な M&A の対象となるラーメン業界
以上のように、昨今のラーメン業界のM&Aは、100店舗以上のチェーンを買収する事例よりも、数店から数十店の小規模チェーンを対象とするケースが目立っています。スケールメリットを狙うというよりも、「運営するブランドの多様化を図る」「特徴のある優良なブランドを取り込む」「自社にない部分を補完する」「海外展開の武器にする」といった発想がより強く感じられます。
ラーメン店は、一般的に飲食店の中でも参入しやすいといわれ、個人店、フランチャイズ店、チェーン直営店がひしめき合う、非常に競争が激しい業態です。このため 他の飲食業界に比べ、これまで大手チェーンの寡占化が進みにくい、と一般的にみられてきました。
大手飲食チェーンを中心に、ラーメン事業に進出・強化する動きがみられる中、どれだけの個人店・小規模チェーンがこれまでどおり独立した展開を守っていけるのか、ラーメン業界にもある程度の大手寡占化の波が押し寄せてしまうのか、今後の動向が気になるところです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
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