事例から学ぶ、今後のデータビジネスの成功に必要な視点

最終更新日 2021年4月1日 | データベース

データビジネス

データ活用は、一般的に自社データとさまざまな外部データを組み合わせておこなうのが効果的といわれています。今回はこの外部データのうち、民間企業が提供する商用データによって展開されるさまざまなデータビジネスの現状と、今後に向けての課題を探ってみます。




【分野別】外部提供が進む企業データ

「購買・消費データ」や「位置データ」「医療・健康データ」「視聴データ」「オンライン行動データ」「気象データ」「電力使用データ」⋯など。
ここ数年、多くの企業の間で自社やグループ内で収集・蓄積したデータを、さまざまな形で外部に提供する動きが活発化しています。

中でも、比較的早い時期から企業データの外部提供が進んでいるのは、需要予測や効果的なマーケティング・広告に役立つ「購買・消費データ」です。

すでに流通が一般化している小売業のPOSデータをはじめ、マーケティング会社による購買データとテレビ視聴データを組み合わせた提供、アンケートの回答と購買データを組み合わせてコンサルティングも交えて提供するケース。スタートアップ企業によるスマートフォンアプリを通じたレシート情報の買い取り・分析サービスなど。 使用許諾を得たモニターのインターネット行動ログといった「オンライン行動データ」も、分析サービスの形で企業のマーケティング向けに提供されています。

また最近では、キャッシュレス決済事業者が実店舗の購買データ収集を強化するなど、オンラインとオフライン、ネットとリアルの垣根を外したデータ活用や新サービスの創出を目指す動きが本格化しています。

一方「位置データ」を活用したデータビジネスも、他分野に先行して進んでいます。 通信大手はいずれも子会社を通じ、同意を得て取得したユーザーのGPS位置情報を使って、移動・滞在、人口流動の状況をエリア分布や推移などの形で統計化し、提供しています。
これらの統計情報の一部は、新型コロナウィルスの感染拡大により地図アプリ上で全国の混雑情報を確認できる機能として提供されるなど、にわかに注目を集めました。

新サービスも続々登場、キーワードは「共創」

他社や公共機関等と連携し、それぞれのデータや技術・仕組みを組み合わせてアプリに機能を追加したり、新しいサービスを始める企業も続々と登場しています。

近年そうした動きが特に目立つのが「医療・健康データ」の分野です。 代表的な例は、血圧計や体組成計、活動量計などの各種測定データが取得可能な計測機器メーカー。自社の測定データ管理アプリと他社のヘルスケア関連アプリ(多数)とを連携させ、法人向けの健康管理サービスを提供しています。
電力会社と組んで測定した歩数に応じて電力料金が安くなったり、ドラッグストアと組んで歩数をポイントに還元する健康プログラムを展開する計測機器メーカーもみられます。

また、血圧や血糖値、食事内容などを記録して医療機関と共有できるスマホアプリを手掛ける企業では、新たに睡眠の管理機能(無料)を追加。ウエアラブル端末で測った睡眠データを取り込んで日々睡眠の質を把握できるようにし、生活改善や早期受診につなげる狙いです。

そのほかにも、栄養素・カロリー計算結果データを他社の健康アプリに提供したり、家庭のメニューや使用材料、調理方法などの食卓データを企業の商品開発や売り場提案向けに提供するケースなど、日々の生活記録のデータ活用モデルがトレンドの一つとなっています。

5Gで本番を迎える、AI・IoTによるデータ活用

IoT

上記のように「医療・健康データ」分野のデータ活用や新ビジネスが活発化する背景には、IoT機器の普及によりデータが集まりやすくなっていることが一因としてあげられます。
今後「高速・大容量」「低遅延」「多数端末同時接続」が特徴の5Gの普及に伴い、AIやIoTによるデータ活用が本格化すると、さらに新しいデータビジネスの展開が見込まれます。

計画・実証実験が進められているの事業の中には、より高度かつ専門的な技術で特定の疾患の検知・予防を目的とするものが発表されています。たとえばある大手ハウスメーカーでは、家の中に非接触型のセンサーを設置して心拍数と呼吸数のデータを収集し、脳卒中などの急性疾患を早期発見して救急隊に出動要請までおこなうサービスを計画しています。
また、国立の高度専門医療研究機関と共同で、動脈硬化のリスクを遠隔からチェックし対応を助言する仕組みづくりに乗り出す企業もあります。
医療で使う画像が高精細化している分、5Gへの期待も膨らんでいます。

またある大手通信会社では、5Gを介してIoT機器やヘルスケアアプリから登録された医療健康データを収集・分析・活用するプラットフォームをつくり、医療機関や自治体、健康保険組合、企業などが利活用する仕組みの構築を計画しています。

「医療・健康データ」以外でも、自動運転やドローン、無人建設機械関連、各種製造業の工場設備など、IoTによる収集データの増大とAIによる分析の深化を前提に、さまざまな分野の開発や実証実験が進んでいます。

データ活用成功のカギは「個人情報保護」と「社会課題解決」

企業データを外部に提供するうえでの最大の課題は、個人情報保護への配慮です。
個人情報保護法に抵触しない情報を扱うのはもちろん、消費者からの明確な同意を得たうえでの取得であることが必要とされます。
上記で挙げたいろいろな事例も、使用許諾を得たうえで収集し、個人が特定されないよう匿名加工処理をしたり、統計化したうえで外部に提供しています。

とはいえ国内では、就職サイトが登録者本人に目的を十分知らせないまま顧客企業と個人情報をやり取りしていたり、ECサービスでの信用スコアの利用が初期設定でオンになっていたりと、ネットサービスをめぐる個人情報取り扱いで物議を醸す事例が発生しました。

また欧米では、EUがGDPR(一般データ保護規則)を施行し、これまで以上に個人情報の取り扱いが厳しくなっています。寡占的に収集したデータをビジネスに利用してきた巨大プラットフォーマーへの風当たりも強まっており、データビジネスを進めるうえでより注意が必要な情勢になっています。

つまり、「利便性を取るか、プライバシーを取るか」のせめぎ合いは、データの提供要請を受け入れる側の消費者にとっても微妙で、判断が難しい問題なのです。

こうしたことから、より機密性が高い(同時に付加価値も高い)データ利用へと社会が進む中で、消費者はこれまで以上にデータ管理等の面で「信頼性」の高い企業を選んで情報を提供するようになっていくと考えられます。データが企業の競争力を左右すると同時に、この「信頼性」がデータビジネスの成否を分けることにもなりそうです。

一方、環境や社会保障、国家財政、国民の生活改善など「公益」にかかわる問題解決が目的のビジネスや、病気予防や健康増進など消費者にとってのメリットがわかりやすいサービスほどデータ提供の協力が得られやすいことも事実です。
つまり、今後のデータビジネスは「より消費者の支持を取り付けられるサービス」が生き残っていくことになるでしょう。


≪追記≫
新型コロナウィルスの流行で、個人の行動の追跡など、データをもとに徹底した管理・監視をおこなう動きが世界各地で強まりました。一人ひとりが「どこまで個人情報を提供できるか」を考えなければならないと同時に、「利便性を取るかプライバシーを取るかのせめぎ合い」が、ますます悩ましい問題として突き付けられることになりました。新型コロナ禍の影響により、個人情報の提供・活用をめぐる世界的な動向に今後変化があるのかどうか、気になるところです。

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