【一括付加で解決】インボイス登録番号を効率良く確認する方法

2023年11月20日[更新] | データベース

インボイスの登録番号を確認

2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除(※)の新しい方式として「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」がスタートしました。
インボイスの対象は課税事業者ですが、取引先の求めに応じて免税事業者から課税事業者への変更増加が見込まれるなど、多くの企業や個人事業主が影響を受ける制度です。
特に数多くの仕入れ先・購入先を持つ企業は、取引先のインボイス登録の有無や番号の確認、各種業務システムでの運用等に労力とコストを費やす必要に迫られました。
当記事では、インボイス運用に当たってどのような対応が必要になり、どうすれば効率的に課題を解決することができるのか考えていきます。


※売り上げにかかる消費税額から仕入れ等にかかる消費税額を差し引いて計算し、納税する。二重課税を防ぐ仕組み。


インボイス制度で何がどう変わった?

インボイス制度への対応に悩む人

インボイス制度では、売り手側(これまで請求書や領収書を発行していた事業者)はインボイス(適格請求書)を交付し、買い手側(これまで請求書や領収書を受け取っていた事業者)は、原則として受け取ったインボイスによってのみ、消費税の納付に際して「仕入税額控除」が受けられるようになります。
また、売り手側は交付したインボイスの写しを、買い手側は受領したインボイスを「保存」する義務がそれぞれ課せられます。

インボイス制度が導入された背景について政府の広報などでは、2019年10月の消費税軽減税率の導入によって10%と8%の2つ税率が混在することになり、どの取引や商品にどちらの税率が適用されているかを明確にする必要が生じたことを理由にあげています。

そのため、インボイス(適格請求書)は、現行の請求書(区分記載請求書※)の記載事項に、以下の事項が追加されています。

  • 登録番号
  • 適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等

この追加には、インボイスを「売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える手段」とし、漏れなく正確な税額計算および納付を促す狙いが込められています。


売り手はこれらの要件(記載事項)を満たした請求書を買い手に交付しなければならなくなるため、まずは税務署に登録申請して、インボイスの交付が可能な事業者(適格請求書発行事業者)になる必要がある、というわけです。


※現行請求書の記載事項は、「請求書の発行事業者の氏名または名称」「取引年月日」「取引の内容(軽減税率の対象品目である旨)」「税率ごとに区分して合計した対価の額」「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称」。


■参考情報
●政府広報オンライン
令和5年10月からインボイス制度が開始!事業者間でやり取りされる「消費税」が記載された請求書等の制度です
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202210/1.html

●国税庁 適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-
https://https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf?_fsi=ItftNPlN&_fsi=mqHEACL6&_fsi=zWCVPfA0


急増するインボイス登録事業者

急増するインボイス制度の登録事業者数

制度スタートから1カ月余の現在(2023年11月)、どのくらいの事業者がインボイス登録事業者(正式名称:適格請求書発行事業者)の登録を終えているのでしょうか。

国税庁の「インボイス制度 公表サイト」によると、10月末時点の登録件数は約407万件で、2022年後半あたりから急カーブを描いて増加しています。

【インボイス登録件数の推移 グラフ(インボイス制度 公表サイト)】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/kensu_kikan.pdf

さらに、上記2023年10月末時点のデータを適格請求書発行事業者公表サイトからダウンロードして当社で集計したところ、登録件数約407万件の内訳は「法人」が約223万件、「人格のない社団等(※1)」が約5,700件、「個人」が約183万件となっています。

このうち「法人(約223万件)」に限ってインボイスの登録率を算出してみると、法人全体(法人数:約287万件※2)の約78%が登録を終えた計算になります。少なくとも法人に関しては、およそ8割の事業者が登録済みとなっています。


適格請求書発行事業者(法人)の登録率
※2023年11月時点
登録数
223万件
登録率
78%

※1 法人ではないが法人と同様の活動をしている社団または財団(例:PTA、研究会、労働組合、マンション管理組合、学術団体など)。収益事業をしていれば消費税の納付義務が生じ、インボイスへの対応が必要になる場合もある。


※2 国税庁の「法人数」<令和3年度の申告法人数(普通法人)>
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/hojin2021/pdf/04_hojinsu.pdf/

インボイス登録番号の一般的な確認方法

インボイス登録番号の確認方法を模索する社員

買い手側の事業者は、請求書がインボイス(適格請求書)でないとその取引について仕入税額控除が受けられないことになり(※)、消費税の負担が増えてしまいます。また、売り手も買い手も、会計処理上で取引先ごとに税区分を明確にしなければならないため、「(取引先各社が)インボイス登録事業者であるか否か」と「(登録していれば)登録番号」を、まず確認する必要があります。


※取引への影響に配慮して「経過措置」が設けられており、免税事業者からの仕入れについても、制度実施後3年間は消費税相当額の8割、その後の3年間は5割を仕入税額控除が可能とされています。


インボイスの登録番号を確認・取得するには、以下の方法が考えられます。


  1. 直接聞いて確認する
  2. 「適格請求書発行事業者公表サイト」で検索する
  3. 公表サイトからダウンロード、またはWeb-APIを利用する
  4. 外部のサービスを利用する

1. 直接聞いて確認する

電話やダイレクトメール(DM)送付、メール、Webアンケートシステム等の手段で仕入れ・購入先企業に問い合わせ、「インボイスの登録をしているか」や「登録番号」などを聞きます。

仕入先の数が多い場合、メール配信システムやWebアンケートシステムが効率的に思われますが、メールアドレスなどの情報が揃っていなかったり、このためにシステムを導入するとなると新たな費用もかかってしまいます。電話やDMも、コールセンターへの委託やDM送付代など、数が多いほどコストが嵩みます。
また、これらの方法ではすべての問い合わせ先から返信があるとは限らず、返信があっても取引先管理等の業務システムに反映させるために手作業での入力が生じることも考えられます。


2. 「適格請求書発行事業者公表サイト」で検索する

国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で「登録番号」を入力して検索すると、氏名又は名称や登録年月日などの情報が表示されます。一度に10件まで検索できます。


ただし、ここでは「社名から登録番号を探す」というアプローチには対応しておらず、「わかっている登録番号を確認する」ための検索が主眼となっています。
因みに、検索先が法人の場合に限り「法人番号」を入力しても登録情報が検索できますが、当然ながらその法人が登録していなれば表示されません。
いずれにせよ、確認したい仕入れ先の数が千・万・十万単位となると、この方法も手間ひまが掛かります。


3. 公表サイトからダウンロード、またはWeb-APIを利用する

国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」から「全件データ(前月末時点における最新情報)」または「差分データ(日次の更新情報)」をダウンロードできます。CSV・XML・JSONのデータ形式で提供されているため、Excelなど汎用的なソフトで大量のデータが確認できます。
また、同サイトで提供されているWeb-APIにより公表データのシステムと企業の社内システムとの連携を図れば、インターネットを経由して企業のシステムからリクエストを送信し、登録情報を検索・取得することが可能になります。

これらの方法なら一度に大量のデータを扱うことができますが、インボイスにかかわる企業内のシステムにダウンロードした情報を正確に取り込んだり、Web-APIを構築するとなると、技術的にかなりハードルが上がります。人材面など、自社内で対応できないケースも多くなります。


4. 外部のサービスを利用する

上記3つの方法で難しかったり時間やコストがかかりすぎる場合には、ITベンダーなど外部のサービスを利用する手もあります。

  • 取引先マスタをアップロードして仕入先の登録情報を一括でチェックできるサービス
  • エクセル上で法人名と都道府県名のリストを貼り付けると、法人名や住所、登録番号が表示されるシステム
  • Webアンケート機能で取引先の登録状況を回収・管理するサービス

など、インボイスに対応した様々なサービスやシステム、機能が提供されています。



次項では、当社(日本ソフト販売)が提供する、取引先データにインボイス登録番号を一括で付加するサービス「CNValu with インボイスについてご紹介します。


インボイス登録番号の効率的な確認方法『一括付加で解決』

インボイス登録番号の効率な確認方法を提案する人

CNValu with インボイス」は、企業の取引先データに「適格請求書発行事業者の登録番号」や「法人番号」を一括処理で付加するサービスです。


〈付加の例〉
取引先データ 適格請求書発行事業者の
登録番号
法人番号
東京都中央区日本橋蛎殻町1-16-8
日本ソフト販売(株)
T4010001062274 4010001062274

『一括付加』のメリット

  • 付加できたものについては、登録の有無や登録番号を確認する必要がなくなる
  • 登録番号が付加されない場合(免税事業者や未登録の取引先)でも、「税区分を明確にする問い合わせ」や「取引条件の話し合いをおこなう」などの対応が取れる
  • 登録番号が付加されない場合でも、法人番号が付いていれば、後日「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できる
  • 当社の事業所マスタと照合し、本社の登録番号や法人番号を、支店や事業所データにも付加できる
  • 情報が陳腐化しても一括で更新できる(短期間に都合の良いタイミングで更新できる)

さらに、当社の強みは、データクレンジング・名寄せサービスで20年以上にわたるノウハウ持つことです。登録番号の一括付加と同時にデータクレンジングや名寄せをおこない、取引先データの社名・住所等の表記をきれいに整備すれば、適格請求書発行事業者の登録番号を正確に付加することができます。

適格請求書発行事業者番号 一括付加サービス「CNValu with インボイス」は、取引先データを「素早く正確に」インボイス制度に最適化したデータにアップグレードするサービスです。インボイス等への対応のためにシステム改修をおこなった場合でも、インボイスに最適化したデータを投入すれば、スムーズで効率的な業務処理が可能になります。


日本ソフト販売の適格請求書発行事業者番号 一括付加サービス「CNValu with インボイス」の詳細はこちら


取引先データに「適格請求書発行事業者の登録番号」を一括で付加するサービスです。20年以上のデータ整備のノウハウを活かして素早く正確に、貴社の取引先データをインボイス制度に最適化したデータにアップグレードします。


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