【2022年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング
2022年3月21日 | 業界・地域分析
コロナ2年目のコンビニエンスストア業界は、前年同月比売上高の増加がたびたび伝えられ、やや復調の兆しがみられました。一方、店舗数では、どのような動きをみせていたのでしょうか。
今回の2022年版(2021年1月~2022年1月)では、当社のチェーン店データを元に、1年間の店舗数月別推移や、チェーン別店舗数ランキングと増減状況など、前回の2021年版との比較も交えて振り返ります。
また、この1年に起きた業界再編の動きや、近年の店舗数年推移、3大チェーンの店舗数シェア(構成比)の推移もまとめてみました。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのコンビニエンスストアを網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2022年1月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2022年1月と2021年1月の対比で算出しています(小数点3位以下は四捨五入)
コンビニエンスストア 店舗数推移(月別)
↓0.05% 2022年1月と2021年1月の店舗数は、ほぼ変わりなし
2022年版(2021年1月~2022年1月)のコンビニエンスストア全体の店舗数は、2月に一旦160店ほど急減したあと上昇基調に転じ、8,9月に再びやや前月を下回りました。そして11月には約180店と大きく減少したものの、翌12月にはその9割方を戻しています。
2022年1月と2021年1月の店舗数を比較すると(以降、前年同月比と表記)、0.05%減でほぼ横ばいとなっています。2021年版(2021年1月と2020年1月の比較)は0.07%減であったため、ほんのわずかながら減少率が改善したといえます。
コンビニエンスストア店舗数の増減率
業種 | 2021年1月 | 2022年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
コンビニエンスストア | 56,948 | 56,919 | -0.05 |
【チェーン別ランキング】 共同事業契約により「ポプラ」「生活彩家」が減って「ローソン」がやや増加
チェーン別ランキングを1月の前年同月比でみると、1位の「セブンイレブン」は約150店増えているものの増加率にすると0.73%の微増に止まっています。2位「ファミリーマート」は約130店減の微減、3位「ローソン」は約1.5%(202店)の増加となっています。上位7社はおおむねプラスマイナス1%台の範囲内で、特に目立った増減の動きはみられません。
一方、大きな減少率となっているのは、12位の「生活彩家」と13位「ポプラ」です。といっても2チェーンの店舗減少は、2021年のコンビニエンスストア再編に関連するもので、理由は明確です。
「ポプラ」と「生活彩家」が減少したのは、両チェーンの運営会社・ポプラとローソンとの間で締結した共同事業契約に基づき、一部店舗が「ローソン」または「ローソン・ポプラ」に転換されたためです(2021年3~6月に109店舗を転換、と発表あり)。
当社のコンビニチェーン収集結果から細かくみていくと、「ポプラ」は2~5月にかけて計124店減少、「生活彩家」も2~6月にかけて計46店減っており、発表されていた転換予定とほぼ動きが一致しています。
また、前回2021年版ランキングでは17位だった「コミュニティ・ストア」も、6月から11月にかけて徐々に店舗を減らしていき、11月で営業活動終了となりました。同チェーンは老舗食品商社のグループ企業が経営する中堅コンビニエンスストアでしたが、2021年5月にコンビニ事業からの撤退を発表しています(2022年1月のデータがないため、ランキング表には参考データとして掲載)。
チェーン店別 店舗数ランキング
順位 | チェーン名 | 2021年1月 | 2022年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
1位 | セブン・イレブン | 20,879 | 21,031 | +0.73 |
2位 | ファミリーマート | 16,477 | 16,348 | -0.78 |
3位 | ローソン | 13,610 | 13,812 | +1.48 |
4位 | ミニストップ | 1,963 | 1,932 | -1.58 |
5位 | セイコーマート | 1,158 | 1,163 | +0.43 |
6位 | デイリーヤマザキ | 1,000 | 1,005 | +0.50 |
7位 | NewDays | 346 | 343 | -0.87 |
8位 | ローソンxスリーエフ | 343 | 336 | -2.04 |
9位 | デイリーヤマザキ(ヤマザキデイリーストアー)※1 | 245 | 237 | -3.27 |
10位 | NewDays (NewDays ミニ)※2 |
154 | 158 | +2.60 | 11位 | ナチュラルローソン | 141 | 133 | -5.67 |
12位 | 生活彩家 | 159 | 111 | -30.19 |
13位 | ポプラ | 201 | 73 | -63.68 |
14位 | miniピアゴ | 72 | 72 | 0 |
15位 | ヤマザキスペシャルパートナーショップ | 54 | 54 | 0 |
15位 | TOMONY | 53 | 54 | +1.89 |
17位 | ファミマ!! | 42 | 44 | +4.76 |
18位 | ら・む~マート | 13 | 13 | 0 |
参考 | コミュニティ・ストア | 38 | 17(※3) | -55.26 |
※1 6位の「デイリーヤマザキ」と同一企業のチェーンですが、業態ブランドが異なるため別集計となっています。
※2 7位の「NewDays」と同一企業のチェーンですが、業態ブランドが異なるため別集計となっています。
※3 2021年11月の店舗数です(同チェーンが2021年11月末で営業活動を終了したため)
【店舗数 年推移(2018~2022年)】 右肩上がりに店舗数が増える時代の終わりと、姿を消していく独立系コンビニ
コンビニエンスストア全体の店舗数年推移をみると、2019年は前年に比べて2%ほど増えていますが、その後はわずかながら3年連続で減少が続いています。ほぼ横ばいに推移しているというのが正確なところですが、とにかく右肩上がりに店舗数が増える時代は終わり、ゆっくりとした減少基調に入っている状況です。
また、10店舗以上を展開するチェーンの数も、2018年には23あったのが、2019年は20、2020・2021年が19、2022年は18と少しづつ減っています。統合など再編が着々と進行した結果、最新の2022年ランキングでは、大手流通・鉄道企業とかかわりのない独立系コンビニの多くが、姿を消してしまっています。
コンビニエンスストア店舗数 年推移(2018~2022年)
年月 | 店舗数 | 対前年増減率(%) |
---|---|---|
2018年4月(※) | 56,024 | - |
2019年1月 | 57,100 | +1.92 |
2020年1月 | 56,986 | -0.20 |
2021年1月 | 56,948 | -0.07 |
2022年1月 | 56,919 | -0.05 |
※2018年1月は未収集ため、4月時点のデータを使用。
【大手3社の店舗数シェア 推移】 4年間で4.2ポイント上昇し、3チェーンで89.9%に
コンビニエンスストアは、元々小売業種の中でも特に大手3社(セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソン)の寡占度が高い市場であることが特徴です。
そこで、ここ5年(2018~2022年)における大手3チェーンの店舗数シェア(全体の店舗数に占める構成比率)の推移をみると、2019年の上昇率が約3%と最も高くなっています。これは「ファミリマート」による「サークルK」「サンクス」の統合が前年の11月に完了したことが反映されたものです。さらにその後も0.2~0.6%と少しずつながら年々店舗数シェアを高め、直近の2022年1月には89.9%と全体の9割に達しようとしています。
コンビニチェーンの数や全体の店舗数が減少または頭打ち傾向にある一方で、大手3社の店舗数シェアは4.2ポイント上昇しており、この4年の間にも着実に寡占化が進んだことがわかります。
ちなみに3チェーンそれぞれの店舗数シェアの推移をみると、国内で統合・合併等の動きがない「セブン・イレブン」は、2018年の36%から2022年の約36.9%へと、4年間で約1%の伸びとなっています。「ファミリマート」は4年間で2.3%伸び、2022年1月時点では28.7%のシェアとなっています。また、「ローソン」も1%上昇し、2022年1月時点で24.3%に達しています。
店舗数シェア推移(セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソン 3社計)
年月 | 全合計(店)※1 | 3チェーン合計 (店) |
構成比率(%) |
---|---|---|---|
2018年4月(※2) | 56,024 | 48,050 | 85.8 |
2019年1月 | 57,100 | 50,662 | 88.7 |
2020年1月 | 56,986 | 50,875 | 89.3 |
2021年1月 | 56,948 | 50,966 | 89.5 |
2022年1月 | 56,919 | 51,191 | 89.9 |
※1 10店舗以上を展開するチェーンの合計。
※2 2018年1月は未収集ため、4月時点のデータを使用。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。