【2024年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング
2024年3月11日 | 業界・地域分析

「セブンイレブンの全店平均日販が70万円超え」「ファミリーマート・ローソンが共に事業利益 過去最高」(※)など、コンビニ大手の絶好調が伝えられた2023年。国内の店舗数はどうなっているのでしょうか。
2024年版(2023年1月~2024年1月)では、当社のチェーン店データを元に、コンビニ店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況など、過去記事(2023年版、2022年版、2021年版)との比較も交えて振り返ります。また、2019~2024年における コンビニ 3大チェーン(合計)の店舗数シェア推移もまとめてみました。
※どちらも 2024年2月期上期(2023年3~8月)の業績。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2024年1月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2024年1月と2023年1月の対比で算出しています(小数点3位以下は四捨五入)。
目次
- 【月別推移】コンビニエンスストア 店舗数(全体、2023年1月~2024年1月)
- 【2024年版】コンビニエンスストア 店舗数ランキング
- 【大手シェア推移】3大チェーン 店舗数シェアの推移(2019~2024年 1月時点)
- 【まとめ】売り上げは好調、国内店舗数は減少
【月別推移】コンビニエンスストア店舗数(全体、2023年1月~2024年1月)
↓0.35% 少しずつながら 4年連続で減少
コンビニチェーン全体の1年間(2023年1月~2024年1月)の店舗数推移をみると、前月を下回る月が8カ月と多く、特に直近の2024年1月は237店の大幅減となりました。しかし、2023年3月と7月にそれぞれ190店、136店と大きく増加したこともあり、1月の前年同月比では微減(0.35%減)の範囲に収まっています。
当社の集計を遡ると、2021年版が前年同月比 0.07%減、2022年版は0.05%減、2023年版では0.28%減、そして今回・2024年版が0.35%減。コンビニ店舗数は 少しずつながら 4年連続で減少をたどっています。

店舗数の前年同月比増減率
業種 | 2023年1月 | 2024年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
コンビニエンスストア | 56,705 | 56,505 | -0.35 |
【2024年版】コンビニエンスストア 店舗数ランキング
上位チェーンは、微増 か 若干減 の どちらか
チェーン別店舗数ランキングを1月の前年同月比でみると、増加したのは 5チェーンに止まり、プラスマイナスゼロが 1チェーン、減少が 11チェーンです。
ランキング 5位以内で増加しているのは「セブンイレブン(0.65%増)」「ローソン(0.32%増)」「セイコーマート(0.34%増)」で、いずれも微増に止まっています。
増加率で 唯一目立っているのは、ランキング15位の「ファミマ!!(8.89%・4店舗増)」。「ファミマ!!」は、株式会社ファミリーマートが展開する、オフィスビル等の施設内に出店する形態のコンビニブランドで、当社の調べでは 2020年の37店舗から年々数店舗ずつ増加し、2024年は49店舗となっています。
一方、減少チェーンでは、ランキング 9位以降に 比較的高めの減少率が多くみられます。特に16・17位の「TOMONY(20%減)」と「ら・む~マート(16.67%減)」は、店舗数自体が少ないこともあり、大きな減少率となっています。
チェーン別 店舗数ランキング
順位 | チェーン名 | 2023年1月 | 2024年1月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
1位 | セブン・イレブン | 21,111 | 21,248 | +0.65 |
2位 | ファミリーマート | 16,314 | 16,047 | -1.64 |
3位 | ローソン | 13,735 | 13,779 | +0.32 |
4位 | ミニストップ | 1,868 | 1,814 | -2.89 |
5位 | セイコーマート | 1,169 | 1,173 | +0.34 |
6位 | デイリーヤマザキ | 985 | 952 | -3.35 |
7位 | NewDays | 340 | 345 | +1.47 |
8位 | ローソン・スリーエフ | 335 | 330 | -1.49 |
9位 | ニューヤマザキデイリーストア | 219 | 209 | -4.57 |
10位 | NewDays ミニ | 150 | 150 | 0 |
11位 | ナチュラルローソン | 128 | 126 | -1.56 |
12位 | 生活彩家 | 112 | 107 | -4.46 |
13位 | リコス | 65 | 63 | -3.08 |
13位 | ポプラ | 67 | 63 | -5.97 |
15位 | ファミマ!! | 45 | 49 | +8.89 |
16位 | TOMONY | 50 | 40 | -20.00 |
17位 | ら・む~マート | 12 | 10 | -16.67 |
※当社では 公開されている情報を収集して 本ランキングを集計しているため、店舗情報の公開状況の変化等によって 過去の店舗数ランキングに掲載されたブランドが収集終了となり、ランキングから外れている場合があります。
◎参考情報:
上位チェーンの2023年以前の店舗数 経年推移(2019~2023年、1月時点)が【2023年版】【年推移】チェーン別 店舗数 で確認できます。
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【大手シェア推移】3大チェーン 店舗数シェアの推移(2019年~2024年 1月時点)
再編は一段落も、大手チェーンの寡占度は 緩やかに上昇
コンビニエンスストアは、上位3チェーン(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)と 4位以降の店舗数規模に大きな開きがあり、小売業種の中でも特に寡占度の高い市場であることが特徴です。
コンビニ店舗数全体に占める 3大チェーンの割合の推移(当社調べ)をみると、2019年1月に 88.7%だった店舗数シェアが、わずかずつながら毎年上昇し、2024年1月は 90.4%となっています(※)。
※「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」ブランドのみ の シェア合計。同一の運営会社が展開する その他のブランドや、ダブルブランドの店舗は 含まれていません。

※10店舗以上を展開するチェーン全体に占める、大手3ブランド(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)合計店舗数の割合。同一の運営会社が展開する その他のブランドや、ダブルブランドの店舗は 含まれていません。
近年のコンビニ業界では、2016年から2018年にかけてファミリーマートとの統合が進められた「サークルK」「サンクス」をはじめ、「セーブオン」のローソンへの転換、「ポプラ」「生活彩家」一部店舗のローソンへの転換などが進んだあと、ここ 2年ほどは これといった再編の動きがみられません。
にもかかわらず、ランキング表の増減率をみると 大手チェーンは増加・減少ともに前年比が小幅であるのに対し、店舗数規模が200店台以下の中小チェーンは減少幅の大きさが目立っています(2023年版も同様の傾向あり)。 これらのことから、再編が一段落した状況下でも 大手と中小の店舗数の差は徐々に広がり、大手チェーンへの集約化が少しずつ進んでいる状況が窺えます。
【まとめ】売り上げは好調、国内店舗数は減少
日本フランチャイズチェーン協会が集計・発表した「コンビニエンスストア統計調査年間集計(2023年1月から12月)※」をみると、売上高が前年比 4.1%増で 3年連続の増加、来店客数は 2.9%増で 2年連続増加、平均客単価も 1.1%増で 10年連続の増加と、どれをとっても順調な数字をはじき出しています(いずれも既存店ベース)。
※一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)正会員7社(セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、 ミニストップ、山崎製パン デイリーヤマザキ事業統括本部、ローソン)が対象。
売上や来店客数の増加基調とは裏腹に、当社集計によるコンビニの国内店舗数は「少しずつ減少」という基調を保っており、「需要の回復」や「好調な業績」とは異なる次元で推移しているようにみえます。
そうした中、3大チェーンの一角「ローソン」の経営体制が大きく変わることが発表され(2024年2月)、話題となりました。KDDIがTOB(株式公開買い付け)でローソンの株式を 50%まで取得し、これまでの親会社・三菱商事と対等の出資比率となって共同経営にあたる、とのことです。
大手商社に加え、さらに大手通信会社が後ろ盾となることの経営への効果は 今のところ未知数ですが、近年固定化している 3大チェーンの位置づけや コンビニのビジネスモデルを変えるほどの影響をもたらすのか、今後の動向が気になるところです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。

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