【2025年版】ハンバーガーチェーンの店舗数ランキング

2025年5月27日 | 業界・地域分析

ハーンバーガーチェーン店

大手チェーンの限定メニューやコラボ企画、個性的なご当地バーガーなど、常に話題に事欠かないハンバーガー業界。昨今の店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
2025年版(2024年4月~2025年4月)では、当社のチェーン店データを元に、ハンバーガーのチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況など、過去記事(2022年版2023年版2024年版)との比較も交えて振り返ります。


データの集計方法について


  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2025年4月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2025年4月と2024年4月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。

【2025年版】ハンバーガー 店舗数ランキング(1~10位)

チェーン別店舗数ランキングを4月の前年同月比でみると、10チェーン中 7チェーンで増加、3チェーンが減少となっています。


バーガーキングの増勢続く 3大手も増加傾向を維持


最も増加率が高いのは「バーガーキング」で、1年前に比べて21.7%増、店舗数では48店舗の増加となっています。同チェーンは、当社集計の202220232024年版のいずれも高い伸び率を示しており、4年前と比べ 122.3%増(148店舗増)と急速に増えています。このためランキング順位も 2022年版の 7位から徐々に上昇し、今回は 3大手に次ぐ4位に浮上しました。

一方、大手3チェーンは、ランキング1・2位の「マクドナルド(0.4%増)」「モスバーガー(0.3%増)」が微増、3位「ケンタッキーフライドチキン」は 4.1%の堅実な伸びを示しています。当社データによる2022~2025年版の店舗数推移をみても、3チェーン揃って増加しており、安定した店舗展開を続けています。

外食事業大手のワタミが米サブウェイと日本国内でのFC展開契約を結び、日本法人を買収した「サブウェイ」も、9.6%増(17店舗増)と2024年版に続き 順調に店舗数を増加させています。


同じ運営会社内での店舗転換による増減も


増加率が2番目に高いのは「ウェンディーズファーストキッチン(13.6%増)」ですが、この増加分の一部は同じ会社が運営する「ファーストキッチン」からの店舗転換によるものです。この店舗転換の動きは2024年版でもみられましたが、「ファーストキッチン」の店舗数が18.6%の減少となっていることから、2025年版も継続中であることがわかります。

また「ロッテリア」の店舗の一部も、同じグループ内(ゼンショー)の新業態ブランドに転換されています。ロッテリアの店舗数が17.9%と大きく減少する一方で、ゼンショーがロッテリア買収後に立ち上げた「ゼッテリア(ランク外 12位)」の数は大きく増加しています(2024年7月:10店舗→2025年4月:34店舗)。


存在感増す「地域色の強いバーガー」


今回、当社ランキング初登場で目立っているのは、兵庫県神戸市に本拠を置く9位「淡路島バーガー」です。当社では 2024年9月から同チェーンを新たに収集対象としたため 過去と比べた伸び率などはわかりませんが、2025年4月現在、すでに51店舗を展開する中堅どころの勢力となっています。

ハンバーガー業界は、上記「淡路島バーガー」をはじめ、沖縄県内のみで展開する「A&W(ランク外 14位)」、函館市中心の「ラッキーピエロ(ランク外 15位)」、淡路島バーガー専門店「SHIMAUMA BURGER(ランク外 15位)」と、ご当地バーガーなど地域色の強いチェーンが活躍しやすい、という特徴がみられます。


チェーン別店舗数ランキング(1~10位)

順位 チェーン名 2024年4月 2025年4月 増減率(%)
1位 マクドナルド 2,967 2,978 +0.4
2位 モスバーガー 1,308 1,312 +0.3
3位 ケンタッキーフライドチキン 1,228 1,278 +4.1
4位 バーガーキング 221 269 +21.7
5位 ロッテリア 296 243 -17.9
6位 サブウェイ 178 195 +9.6
7位 フレッシュネスバーガー 155 157 +1.3
8位 ウェンディーズファーストキッチン 66 75 +13.6
9位 淡路島バーガー -(※) 51
10位 ファーストキッチン 43 35 -18.6
10位 クアアイナ 36 35 -2.8

※2024年9月から当社の収集対象となったため、2024年4月のデータはありません。


ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


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【まとめ】「価格改定」「高付加価値化」など、各社価格戦略に注目

業況は「快晴」から「晴れところにより曇り」へ


業績を公表している大手運営会社の決算をみると、まず「日本マクドナルドホールディングス(HD)」の 2024年12月期決算短信[連結](2024年1~12月)では、売上高が前期比 6.1%増、営業利益が 17.5%増、純利益は 27.0%増の「増収増益」となっています。
直近の2025年12月期第1四半期(2025年1~3月)では、売上高が0.1%の微減に転じたものの、営業利益で6.1%、純利益では13.2%の「増益」を確保しています。

「モスフードサービス」の2025年3月期[連結](2024年4月~2025年3月)は、売上高が前年度比3.4%増 、営業利益は24.8%増 、純利益が22.4%増の「増収増益」で、特に利益の増加幅の大きさが目立っています。

「日本KFC(HD)」は、2024年9月に米投資ファンドのカーライル傘下に入ったことにより、上場廃止となりました。最後の決算発表となった2024年4月~6月(2025年3月期第1四半期決算)の業績は、売上高が前期比 2.3%減、営業利益 72.6%減、純利益 32.9%減と、特に利益の減少が目立つ結果となっています。

2024年版での大手各社の決算が、3社そろって大幅な増収増益決算だったことを踏まえると、一部やや勢いに陰りが見えはじめた業績結果といえそうです。


「価格改定」と、客数・客単価・収益の関係は?


ハンバーガー大手がここ2~3年の「原材料費・人件費等コストアップ」状況下で比較的好調に推移してきた要因の一つとしては、再三にわたる価格改定(主に値上げ)にもかかわらず、客足がそれほど衰えを見せず、客単価がおおむね上昇傾向を維持してきたことがあります。つまり値上げの影響が、客数の減少より 客単価アップの方に多く反映されたのではないか、と考えられます。

実際、日本マクドナルド(HD)の月次動向をみると、2024年1月から2025年4月にかけてほとんどの月で既存店客数・客単価が前年同月を上回って推移しています。
ただ、2024年末あたりから、客単価の増加幅は低下傾向をみせています。今年(2025年)と前年同期の1~4月(平均)を比較すると、前年同期が3.5%伸びていたのに対し、2025年は 0.8%の伸びに止まっています。2025年1~3月(2025年12月期第1四半期)の売上高が0.1%の微減に転じたのは、こうした微妙な状況変化を反映した結果かもしれません。

一方、同じ期間(2024年1月~2025年4月)のモスフードサービスの月次情報をみると、2024年の前半(1~7月)はほとんどの月で前年の客数(既存店)を下回る状況が続いていました。しかし、この間も客単価(既存店)は前年を上回って推移していたことから「客数の減少を客単価上昇がカバーし、売り上げ増につながる状態」であったと推察できます。さらに、2024年8月以降は 客数、客単価ともにほとんどの月で前年を上回り順調に推移するなど、2025年3月期通期の「大幅な増収」を裏付ける結果となっています。

この3月(2025年)、マクドナルドとモスバーガーは2022年以降4~5回目となる 価格改定を実施しました。今後、これが客数や客単価、収益にどう影響していくのか、注目されるところです。


「節約志向」と「プチぜいたく需要」の両ニーズに対応


これはハンバーガー業界に限ったことではありませんが、原材料費・人件費等のコストアップ要因や物価高による消費者の節約志向は、当面、緩和・解消の見通しが立たない状況です。このため、各チェーンでは、価格改定やコスト削減、新メニューの開発・提案、DXによる効率化・消費者の利便性向上、ブランド力向上策等によって収益性を高める動きをこれまで以上に活発化しています。

ハンバーガー市場では従来から一定の「プチぜいたく需要」が存在しており、これに対応した「高付加価値商品」の提供も、客単価を上げて収益性を高める有効な手段の一つとなっています。
マクドナルドでは、ビーフパティの厚さや枚数などを増やしたメニューを、定番品や期間限定品として強化・投入しています。モスバーガーも、ビーフパティに国産牛100%を使った高付加価値バーガーを 2024年3月に定番メニューとして発売しました。また、ウェンディーズファーストキッチンは、2023年に期間限定発売した2,000円前後の高級バーガーがインバウンド客などに好評を得たようです。

もっとも、これらのチェーンでは、高単価メニューを投入する一方で価格を抑えた手頃なセットメニューを「復活」や「一部値下げ」、「期間限定」の形で展開しています。「節約志向」と「プチぜいたく需要」の両面に対応するのが、昨今の大手・中堅チェーンの価格戦略といえそうです。
また、ハンバーガーは、上記店舗数ランキングの項でもふれたように、出店地域を限定したチェーンが古くから定着しており、また、地域の特産品や食文化を取り入れたご当地バーガーとして、地域住民や観光客の人気を集める新興チェーンも続々登場しています。
これらの小規模・新興チェーンは、元々高付加価値かつ独自戦略をとることにより、大手やほかのチェーンとの差別化を図っているチェーンです。

ただ、数年前に起きた「グルメバーガーブーム」が現在は落ち着きをみせているように、消費者の節約志向が強まる中で 高級ハンバーガーに無限の需要拡大があるわけではない、というのが実際のところです。
大手と中小、全国と地域限定など それぞれ路線の違いはあるものの、「消費者が購入頻度を減らさない価格とメニューのバランスを図り、いかに利益を確保していくか」が今後共通の課題となりそうです。


本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


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