【2025年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング

2025年3月11日 | 業界・地域分析

コンビニエンスストアチェーン

インバウンドの活況などにより 売り上げ好調が伝えられるコンビニチェーンですが、国内店舗数の動きはどうなっているのでしょうか。
2025年版(2024年1月~2025年1月)では、当社のチェーン店データを元に、コンビニ店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況など、過去集計(2021~2024年版)との比較も交えて振り返ります。
また、国内市場が成熟化するコンビニ業界の、昨今の海外出店動向も探ってみました。


データの集計方法について

  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべての飲食店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2025年1月時点で、全国に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2025年1月と2024年1月の対比で算出しています(小数点3位以下は四捨五入)。


【月別推移】コンビニエンスストア店舗数(全体、2024年1月~2025年1月)

↑0.43% 4年連続の減少から「増加」に


コンビニチェーン全体の1年間(2024年1月~2025年1月)の店舗数推移をみると、前月を上回った月と下回った月がちょうど半々で、2025年1月と2024年1月の前年同月比でみると、0.43%増(244店舗増)となりました。
当社の集計を遡ると、2021年版が前年同月比 0.07%減、2022年版は0.05%減、2023年版では0.28%減、2024年版が0.35%減と減少傾向を辿っていましたが、今回・2025年版ではわずかながらも「増加」に転じています。


コンビニ店舗数 月別推移

店舗数の前年同月比増減率

業種 2024年1月 2025年1月 増減率(%)
コンビニエンスストア 56,505 56,749 +0.43

【2025年版】コンビニエンスストア 店舗数ランキング

増加率は「NewDays(ミニ)」、増加数では「セブン・イレブン」


10店舗以上を展開するコンビニチェーンの数は、1年前と同じ17チェーンで、ランキング順位もほぼ同じです。
チェーン別店舗数ランキングを1月の前年同月比でみると、17チェーン中、増加したのは 8チェーンで、減少が 7、プラスマイナスゼロが2、となっています。

まず、店舗数規模がひとケタ大きい上位3チェーンをみると、「セブン・イレブン」と「ローソン」が それぞれ 1.35%増(286店舗増)、0.20%増(27店舗増)と増加し、「ファミリーマート」は 0.29%(47店舗)の減少となっています。
ちなみに、4年前(2021版)の店舗数と比較してみても、「セブン・イレブン」と「ローソン」は それぞれ 3.14%増(655店舗増)、1.44%(196店舗増)と増加し、「ファミリーマート」は 2.89%減(477店舗減)と減っています。

最も増加率が高いのは、「NewDays(ミニ)」の 8.00%増(12店舗増)です。これに続く増加率は「TOMONY(2.50%増)」「ファミマ!!(2.04%増)」ですが、店舗数にするとそれぞれ 1店のみの増加に止まっています。とはいえ「ファミマ!!」は年々増加し、今回で「5年連続の増加」を達成しました。また、5位の「セイコーマート(0.26%・3店舗増)」も、4年連続で堅実に増やしています。

一方、減少率では、ランキング14位「ポプラ(11.11%減)」が最も高く、そのほか「リコス(7.94%減)」「ニューヤマザキデイリーストア(7.66%減)」と、中小チェーンで減少幅が比較的目立っています。


チェーン別 店舗数ランキング

順位 チェーン名 2024年1月 2025年1月 増減率(%)
1位 セブン・イレブン 21,248 21,534 +1.35
2位 ファミリーマート 16,047 16,000 -0.29
3位 ローソン 13,779 13,806 +0.20
4位 ミニストップ 1,814 1,800 -0.77
5位 セイコーマート 1,173 1,176 +0.26
6位 デイリーヤマザキ 952 962 +1.05
7位 NewDays 345 345 0
8位 ローソン・スリーエフ 330 328 -0.61
9位 ニューヤマザキデイリーストア 209 193 -7.66
10位 NewDays ミニ 150 162 +8.00
11位 ナチュラルローソン 126 128 +1.59
12位 生活彩家 107 100 -6.54
13位 リコス 63 58 -7.94
14位 ポプラ 63 56 -11.11
15位 ファミマ!! 49 50 +2.04
16位 TOMONY 40 41 +2.50
17位 ら・む~マート 10 10 0

ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


【海外出店動向】順風満帆とはいかないものの、海外積極展開は続く

国内コンビニ店舗数を当社データでみると、2020年以降、横ばいもしくはゆっくりとした減少基調が続いています。このように国内が頭打ちとみられる中、コンビニ各社の海外出店動向はどうなっているのでしょうか。

セブン・イレブンホームページの「海外展開の歴史」によると、1989年に米国サウスランド社からハワイ事業部を買い受け、2004年4月に中国・北京市に1号店をオープンしています。その後、「米国7‐Eleven, Inc.」完全子会社化(2005年)などを経て出店地域を拡げていき、現在は タイ、韓国、アメリカ、台湾、中国など18の国と地域に、約 6万3,000店を展開(2023年12月末現在)しています。

一方、ローソンは、1996年7月の上海1号店オープンが初の海外出店で、その後中国のほかの地域やインドネシア、ハワイ、タイ、フィリピンと拡大していきました。公表データでは、5か国に計7,344店舗(2024年2月末現在)があります。

また、ファミリーマートは中国などアジアを中心に海外AFC(※)を 8,351店(2025年1月31日現在)展開しています。ホームページの月次営業報告によると、海外AFC数は2024年3月以降11カ月連続で前年同月より増加しており、海外出店への積極姿勢が窺えます。

※AFC(エリアフランチャイザー)とは、ファミリーマートから特定の地域で店舗展開を行う権利を付与された現地法人のこと。


その他にも「ミニストップ」が海外展開しており、2025年1月現在で182店舗(ベトナムのみ)があります。
同チェーンは1990年に韓国へ初進出し、2,500店を超える店舗を展開していたものの、2022年3月に全株式を韓国ロッテに売却、撤退しています。また、450店舗余を展開していたフィリピン事業も同時期に現地の合弁企業に売却、かつては国内を上回っていた海外店舗数は 現在の数へと落ち着きました。

セブン&アイホールディングス(HD)の2025年2月期 第3四半期決算短信(2024年3月1日~11月30日)で海外コンビニエンスストア事業の業績をみると、営業収益は前年同期比で 9.6%増加しているものの、営業利益は32.1%と大幅に減少しています。
ファミリーマートとローソンが上場廃止となって詳細な業績公表がなくなり、セブン&アイHDのみの情報になってしまいますが、2024年の海外市場は物価高による消費者の節約志向や競争激化などにより、順風満帆とはいかなかったようです。
とはいえ、国内が成熟化する一方で海外はまだ大きな成長可能性を秘めているとみられており、積極的な出店が今後も続く見通しです。


【表】海外展開しているコンビニチェーン(※)

※対象:当社の店舗数ランキング(国内)チェーン。

※各社ホームページに掲載されている情報より作成しました。


チェーン名 海外店舗数(店) 説 明
セブン・イレブン 約 6万3,000 2023年12月末現在。内訳は、タイ(14,545)、韓国(13,137)、アメリカ(12,670)、台湾(6,859)、中国(5,051)、フィリピン(3,768)、マレーシア(2,566)、メキシコ(1,925)、オーストラリア(767)、カナダ(597)、シンガポール(500)、デンマーク(174)、ノルウェー(129)、ベトナム(99)、カンボジア(82)、スウェーデン(79)、インド(47)、ラオス(3)。
運営会社は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン(セブン&アイグループ)。
ファミリーマート 8,351 2025年1月31日現在。内訳は不明。
運営会社は、株式会社ファミリーマート(伊藤忠商事グループ)。
ローソン 7,344 2024年2月末現在。内訳は、中国(6,288)、インドネシア(722)、タイ(188)、フィリピン(144)、米国 ハワイ州(2)。
運営会社は、株式会社ローソン(三菱グループ)。
ミニストップ 182 2025年1月現在。内訳は、ベトナム(182)。
運営会社は、ミニストップ株式会社(イオングループ)

【まとめ】業界全体の業績は順調も、最大手に変調が・・・

売上高、客数、客単価すべて連続プラス


日本フランチャイズチェーン協会が集計・発表した「コンビニエンスストア統計調査年間集計(2024年1月から12月)※」によると、売上高の前年増減比は1.1%増で4年連続のプラス、年間来店客数(前年増減比 0.9%増)も 3年連続のプラス、年間平均客単価(前年増減比0.2%増)は11年連続プラス、と好調な数字が並んでいます(いずれも既存店ベース)。

※一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)正会員7社(セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、 ミニストップ、山崎製パン デイリーヤマザキ事業統括本部、ローソン)が対象。


2024年3月~2025年1月のファミリーマート月次営業報告をみても、日商と客単価がすべての月で前年を上回っており、客数は過半数の6カ月で前年を上回っています。また、同期間のローソンの売上高も、すべての月で前年を上回って推移しており、客数・客単価もほとんどの月で前年同月より増加しています(いずれも既存店ベース)。


気になる カナダ企業によるセブン買収提案の行方


ただ、2024年の大きな変化は、コロナ禍でも比較的好調に推移し、絶対的な存在感を示していた最大手セブン・イレブンに変調がみられることです。
2025年2月期 第3四半期決算短信(2024年3月1日~11月30日)の国内コンビニエンスストア事業をみると、営業収益で前年同期比 1.8%減、営業利益が 8.1%減、の減収減益となっています。
また、上記ファミマ・ローソンと同期間(2024年3月~2025年1月)の月次報告をみても、売上高・客数・客単価ともに、前年同月比が増加の月と減少の月がおよそ半々といったところ。増加した月でも横ばいに近い微増がほとんどとなっています(既存店ベース)。

このところのセブン・イレブンといえば、カナダの企業による買収提案を巡る攻防が話題の中心となっており、先行きに不透明感が漂っています。コンビニ絶対王者を取り巻く大きな環境変化に、国内コンビニ業界が今後どう変わっていくのか 気になるところです。


本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


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